不祝儀の装い

 

気遣いが必要な非常にデリケートな問題です。

 
ネット上では、不祝儀では和装は親族のみと書かれているものも眼にしますが、それはあくまでも着物を着ることが特別なことであるという前提のお話だと思います。
 
私は着物生活をしておりますので、和装が普通のことで正常です。まずはそう理解していただいているかどうかが大前提かもしれません。
 
なので、そう理解されていない場合、現状ではそういうお付き合いで葬儀にいくことはまずありませんが、もしあるとしたら、場合によっては洋装でいくということも考慮すると思います。
 
今回、葬儀屋さんの営業の方と1級葬祭ディレクターの方とお話する機会があったので、今の喪服事情をお伺いしました。
 
男性の黒紋付はほぼ見ることがない。女性が喪主であっても黒紋付を着る人は年々少なくなっているのが現状。1日に数人、1人のことも。弔問客で50歳以下での和装の人はとても少ないとのこと。それよりもさらに少ないのは色喪服で、今は葬儀より通夜に弔問する方が多くなり、通夜が夜の告別式化していることもあって、和装であれば、迎える遺族は黒紋付、そして通夜にいらっしゃる人も黒紋付の人が増えているのだそうです。喪主や遺族より控えて色喪服との考えが主流だったけれど、色喪服は地味であってもやはり目立つので、正装の黒紋付であくまでも「礼を尽くす」というお考えからではないでしょうか。とのことでした。
 
この葬儀屋さんは東京都内。ちなみにこちらには、黒紋付、黒喪帯、色喪帯、色喪服のレンタルがあり、着つけサービスもあるのだそうです。
 
冠婚葬祭そのものが簡略化されつつあり、そして日常で着物を着る人は珍しいのですから、不祝儀で着物を着る人が少ないのも当たり前のことだとは思います。ですが、故人との最後のお別れに、礼を尽くした装いを、というその思いは継承したい、せめて、潰されたくはない…と考えています。
 
今回の私の立場は、故人の姪であり、喪主は実家の父です。
喪主側の家族として、通夜、告別式のどちらも黒紋付に黒喪帯を着用しました。
 
羽二重の滑らかさ、スルッとしているのにバシッと身体に沿う着心地は背筋が自然と伸びます。
 
葬儀、初七日、納骨法要とあり、移動事情からバッグは収納力のあるものを。
 
コートは天鵞絨のもの。

 

不祝儀の装いについては、ご相談やお問い合わせをいただくことも多く、今回も反響がとても大きかったです。私自身も私が遭遇したことも、様々な事例はありますが、近しい身内のときのことでないと、語りにくい…のが実状です。もう少し時が経ち、昔話にはなりすぎない当世事情として、記事にしていきたいと思っています。

 

。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

 Facebookページに「いいね!」をくださる皆さまありがとうございます。

相互交流までの余裕がなく心苦しく思いますが、励みになっております。
皆さまの寛容さと染織に対する好奇心が私の原動力です♡

 

「きものカンタービレ♪」のFacebookページ矢印