未だに松葉杖生活がつづいていることもあり、楽しみにしていたいくつもの美術展を逃しました…。
「この夏のワタクシの事情と動静と心情」については、そのうち吐露するかもしれませんが、それはひとまず置いておいて、駆け込みでいってきた美術展を。今日が最終日です!
「琉球の美 〜美の宝庫〜」がサントリー美術館にて開催中(〜9月2日まで)
多々の島々からなる海上王国の琉球。15世紀に王朝が統一され、世界を繋ぐ架け橋、万国津梁として繁栄しました。日本や中国の影響を色濃く受けつつ独自の文化を培った琉球の美。今回の展示は、染織、絵画、漆器、そして、尚家に伝承されたコレクションです。
染織は前後期を合わせて30点くらいでしょうか。
苧麻の子供着
白地に鶴と貝、そして波が水平線のよう。
芭蕉地に藍型
充実していたのは、琉球絵画。琉球王国は首里王府に双紙庫理という、知行、褒賞、工芸や宮中のことを職掌とする官庁を設けています。琉球の絵師の多くはその中にある貝摺奉行所に所属していました。染織や漆器の意匠制作もしています。
ワタクシが注目したのは、描かれている琉装です。
礼服と普段着が描かれている貴重な史料。
尚家のコレクションは、明治政府の琉球処分によって首里城を明け渡し、その後上京した尚家のもの。関東大震災、東京大空襲の戦渦を逃れて伝承され、後に那覇市へ寄贈されました。
琉球は明治の琉球処分、そして沖縄戦で多くの文化財を失いました。今、ワタクシたちが見ているものは、おそらくほんの一部。そして失ってしまったものを取り戻すのはとても困難…。何しろ道具からつくっていかなければならないのですから。
万国津梁の齎した美を堪能しつつ、それに魅かれるのであれば、やはり伝承を考えていかなければ…と切に思うのでした。
自然も文化も人の信用も、失うのはあっという間ですが、取り戻すのは大変。そして失ってから気づくのですよね。
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