梅雨の季節がやってまいりました…。雨露に濡れた緑は美しいですが、全身を布で覆う着物で雨の中を歩くのは厄介なものです。雨コートを着たら暑いですし、着なければどうしたって濡れます…(゚_゚i)

 

ワタクシのように毎日着物で過ごしていると、雨の日は雨の日用の着物を着るのであまり苦になりませんが、雨の日でも着物でお出掛けしたい!という方におススメなのは、やはり美術館鑑賞でしょう。

 

山種美術館では「琳派 〜俵屋宗達から田中一光へ〜」が開催中 (〜7月8日まで)

 

琳派にみられる余白をたっぷりとった構成法の金地の屛風図

「翠苔緑芝」速水御舟 ◇ 山種美術館蔵

金に青々とした芝生、そこに紫陽花の花のひび割れが味となっていて印象に残る。「翠苔緑芝」(部分)

紫陽花の季節にみると、また嬉しさも一入♡「翠苔緑芝」(部分)

 

さて、そもそも「琳派」とは。

「琳派」は血筋や家元制ではなく、同傾向の表現手法を引き継ぐ様式美をさしています。大和絵を基盤として、変形させたり不要な部分は取り除いたり、アレンジを施しつつ洗練された様式美を打ち立てていったもの。琳派の大きな特徴は、一門があってそこに入門して技を伝承していくのではなく、先人の描いた画の技に感化されて自らの作風に取り込んでいく、私淑(間接的に学び慕うこと)による繋がりによるもの。なので現代の作家にも影響を与えつづけ伝承されているのです。

 

今年は酒井抱一の没後190年であり、鈴木其一の没後160年にあたり、それを記念しての琳派展。

 

左「牡丹図」鈴木其一 ◇山種美術館蔵  / 右「秋草鶉図」酒井抱一 ◇山種美術館蔵

 
「四季花鳥図」鈴木其一 ◇出光美術館蔵

 

左から「秋草図」「菊小禽図」「飛行白鷺図」すべて酒井抱一 ◇山種美術館蔵

抱一の作品は色に深みがありつつ濁らず美しい。鳥のお腹にも注目しています。「菊小禽図」(部分)

 

左から「夕もみぢ」「紅白蓮」「白藤」酒井鶯蒲 ◇山種美術館蔵

右「牡丹図」鈴木其一 ◇山種美術館蔵

 

山種美術館は「きもの割引」があります。ゆかたもOK。

ですが、ひとつだけ注意。美術館の床は足音が響きますので、履物には注意しましょう。下駄はゴム底になっているものにしたほうが賢明です。

 

手前右「槙楓図」伝 俵屋宗達 ◇ 山種美術館蔵

 

ちなみに、田中一光は昭和期を代表するグラフィックデザイナー。現代で琳派を私淑した芸術家です。

平家納経の宗達の鹿を引用した「JAGDA ポスター展 JAPAN」

 

琳派は工芸や日本画に留まらず、新しい造形美に受け継がれています。

 

開催中の美術展にちなんだ青山菊家の上生菓子があるカフェ椿もおすすめ♡

 

※展示会場内での撮影は、内覧会にて撮影し、「きものカンタービレ♪」への掲載の許可を山種美術館よりいただいております。

 

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