角界には流儀があります。すべてが番付順。

髪型、着物、浴衣、帯、足袋のあるなし、履物、すべてが番付によって決められているといっても過言ではないと思います。

 

三段目に昇進すると下駄からエナメルの雪駄を履くことが許され、幕下に昇進すると足袋の着用が認められます。そして博多帯をつかうことが許されます。博多帯は力士のひとつの目標なのです。

 

十両に昇進すると関取となり場所入りには染め抜きの着物を着ます。畳敷きの雪駄も許されます。

 

視覚的に番付を表現することは、向上心を煽る効果があり「上のものは若い力士へ < いつか自分も! >と思うものをみせなければならないから…」と、横綱稀勢の里は語っていました。

 

五月場所の楽しみは、入り待ちでみる力士の夏の着物の着流し姿。

 

十両以上の力士が着用を許される力士の夏の着物には、勝負に賭ける想い、郷土愛、そして四股名などが染め抜きで意匠として表されます。1反の反物を平面裁断することによってつくられる着物は、纏うことのできる絵画でありキャンパス。着物には意匠表現を可能にするための様々な染織技法がありますが、力士の夏の着物は技法よりも絵画的表現を重視したものです。

 

今回はとくに絵画的表現で郷土愛を表したものをクローズアップしてみました♪

 

新潟出身の豊山の着物には「日本海に沈む夕日に朱鷺!」

 

富山出身の朝乃山の着物には「立山連峰」

 

大阪出身の大翔丸の着物には「大坂城」

 

隠岐の島出身の隠岐の海の着物には「隠岐の島の牛突き」

 

鳥取出身の石浦の着物には「因幡の白兎」

 

ブラジル出身の魁聖は「コルコバードのキリスト像」

 

柳川出身の琴奨菊の着物には「柳川の花火と龍」

 

秋田出身の豪風の着物には「なまはげ」

 

ブルガリア出身の碧山の着物には「ブルガリアの大統領旗」

ライオンがライオンが描かれた楯を支えている意匠。冠は第二次ブルガリア帝国のイヴァン•アセン二世のもの。ライオンの足元の木の枝はオーク(日本でいう楢の木)。団結が強さを生むの標語。

 

ジョージア出身の臥牙丸の帯は「旧グルジアの国旗」

 

入り待ちでみた力士の着物、つづきます!
 

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