五月場所がはじまりました!

さて、場所前にアップしますとお伝えしていた「綱打ち式」のレポです♪

 

綱打ち式の最後に横綱白鵬関とツーショットのお写真を撮っていただきました♡

 

能楽囃子大倉流太鼓方、大倉正之助さんの鼓にあわせて土俵入りする横綱白鵬

 

「綱打ち」とは、横綱が締める綱をつくる儀式のことです。

 

横綱の綱は、横綱昇進時と初場所、五月場所、九月場所の前につくられます。初場所は田子ノ浦部屋で行なわれた横綱稀勢の里の綱打ち式、そして五月場所は宮城野部屋の横綱白鵬の綱打ち式にご招待いただきました。

 

綱の中には精麻(大麻の茎の靭皮から取られた繊維)を米糠で柔らかくして油分をとったものがつかわれています。

 

今の日本で「大麻」というと、とてもネガティブな、聞いてはいけないもののような反応をされますが、古来から日本で栽培されてきた大麻草は麻薬成分をほとんど含まず、戦前までは、漁網や釣り糸、自家用の衣類や縄などにもつくられつかわれていた農作物です。「麻」という言葉が、大麻(ヘンプ)、苧麻(ラミー)、亜麻(リネン)、黄麻(ジュード)などの草の皮から繊維を採る靭皮繊維の総称としてつかわれていることにより、さらに紛らわしい状況となっています。麻といわれるものは60種類以上。植物学の属性ではアサ科アサ属は大麻だけであるにも関わらず、1962年に制定された家庭法品質表示法では、リネンとラミーに限るとされ、ヘンプは指定外繊維となってしまっています。今の日本で麻として流通している繊維はほとんどがリネンです。

 

こちらが、大麻(たいま•おおぬさ) / 英名 Hemp(ヘンプ) ◇ アサ科
日本では海外産のものをヘンプ、向精神作用を伴う吸引のものをマリファナといいます。国産のトチギシロにはTHCの含有量はほとんどないため薬理作用はありません。私は繊維としてのことしかわからないので言及はしません。

そして何よりも日本人にとっての大麻は、古の時代から神仏事に欠かせないものでした。日本の大麻の手績みの大麻糸が美しいのは、大麻草の靭皮から繊維を取り糸にするまでの惜しまぬ手間と技が伝承されていたことにあります。その背景には「精麻」という神事を支えてきた麻の日本文化があるのです。

日本の国技である相撲は神事でもあり横綱の綱には、神社の注連縄と同様に精麻がつかわれています。



 

芯となる銅線を精麻で包みます。

そして木綿の晒し生地で巻いていきます。

 

縄状のものを3本つくって「そ〜れ、一二三♪」の掛け声で撚りあわせていきます。

太鼓に合わせて掛け声をかけていました。

中央は太く端は細く撚っていきます。

 

綱打ち式は部屋だけでなく一門からその道のプロがやってくるのだそう。伊勢ケ濱部屋の方もいらっしゃいました。

綱は紙糸でしっかりと結ばれます。

最後に紙垂(しで)をつけます。紙垂をつけることで聖域となります。

 

仕上がった横綱の綱。女性は絶対に触れることは許されません。

 

仕上がった綱を化粧回しの上に締めていきます。

 

横綱の土俵入り

 

大倉正之助さんの鼓の演奏で土俵入り。横綱の綱、そして鼓の紐には大麻から採取した繊維がつかわれています。横綱白鵬の綱には国産の大麻糸がつかわれており、その御縁で実現したコラボ。

横綱はこの後すぐに国技館でのイベントへ行かねばならず、時間がなくてぶっつけ本番となったのですが、鼓の音色に土俵周りは荘厳な空気に満たされました。

 

大倉正之助さんとカメラ

 

綱打ち式で感動したのは、横綱は綱打ちが行なわれている間もずっとひたすらに黙々と鍛練されていたこと。すごい集中力です。

 

宮城野親方、日本麻振興会の大森さん、貴重な経験をありがとうございました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

宮城野親方には綱打ち式の間、たくさんのことを教えていただきました。

感謝申し上げます。

 

 

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