東日本伝統工芸展がはじまりました!(~30日まで)

関東、甲信越、東北、北海道に在住の作家を対象に毎年開催されている公募展。
伝統工芸展は公募展ですので出品資格はなく入選すれば誰の作品でも陳列されます。

第58回は、染織、陶芸、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門で厳しい鑑審査を経て選ばれた330点の作品と重要無形文化財保持者の最新作が展示。染織では江戸小紋の小宮康孝さん、藍田正雄さんの遺作もありました。

 

会場でパーッと一番印象深く気になった作品。

透明感のある色彩と大柄のずらしていった絣文様が空間を広く感じさせてくれる。うねうねと曲線のようになっている絣ずらしについてお聞きしたもののド素人の私には理解できず…、でも絣好きにはたまらない魅力のある作品でした。平山先生、お人柄もお優しくてファンです♡

紬織着物「春きざす」 平山八重子さんとカメラ

 

金魚の背びれの動きも美しい。赤い出目金はお太鼓だけ。描かれているところとシルエットのバランスも絶妙。友禅ならではの良い仕事をされているな〜と見惚れた作品。

友禅帯「涼」水橋さおりさんとカメラ

 

柔らかく優しい色彩が矢羽根のようにモザイク柄で組まれています。耳付きでキュッと。

中村正の四段綾竹組の耳付きぼかしの細めの組紐は、大のお気に入りで愛用させていただいています♡

組紐 四段綾竹「モザイク柄」中村航太さんとカメラ

 

江戸の粋だけでなく今の空気感とチャーミングさがある作品だと思う。

長板中形着尺「十字角文」松原伸生さんと

 

柳の枝と葉、そしてシルエットが申し分なく絵羽の訪問着として活かされている作品。風と流れがみえるようです。いつもながら生地の質感が活かされています。

友禅訪問着「風さそう」生駒暉夫さんとカメラ

 

藍の濃淡が水の流れのような躍動感があって、水草のようなところどころの黄返しの緑がとても効いていました。全体でみるとより活き活きと生彩を放つ紬織。

とても魅きつけられました♡ つくり手の方もまたお美しい。佐々木苑子さんのお弟子さんの方でいらっしゃいました。

紬織着物「瀬音」鈴木典子さんとカメラ ◎根津美術館賞受賞◎

 

そよ風が通う樹林の情景が、糸目糊置きと糊たたきの技で奥域ある絵画のように表された作品。風に舞う木の葉と木立がとても新鮮でした!友禅の世界の可能性と広がりをみたような作品ヾ(@°▽°@)ノ

友禅訪問着「そよ風」菅原髙幸さん ◎岩手県知事賞受賞◎

 

※会場での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は、つくり手の先生とご一緒なら…、ということで、三越と工芸会より許可をいただいているものです。(つくり手と一緒なことにより、つくり手から許可がでていることがわかりやすいので)

 

着物の価格には素材や手間だけでなく様々なものが反映されます。価格や希少価値にとらわれることなく、技を駆使した美しい染織をみることが見る眼を養います。何より心が豊かになります♡

 

ガラスケース越しではなく、肉眼で見ることができます。

呉服屋さんのような敷居の高さもありません。無料です。

作家の先生方も交代でいらっしゃっています。

 

着物が大好きで興味もいっぱいあるけれど、呉服屋さんや展示会にはいきにくい、という方、ぜひ工芸展で気兼ねすることなく見る眼を養われてくださいませ。

 

 

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皆さまの寛容さと染織に対する好奇心が私の原動力です♡

 

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