東京で桜の開花宣言があった日、桜尽くしの装いでしたが、じつはこの日の装いのポイントは帯のお太鼓柄の蛇の目傘でした。
演目が「髪結新三」だったのです。
「梅雨小袖昔八丈」が正式な演目名ですが、主人公の名前から通称「髪結新三」といわれます。大岡政談の白子屋事件が元になっていて、お熊が処刑される時に着ていた黄八丈が当時江戸の街で話題になったといわれています。
なので、黄八丈での装いも考えたのですが…、国立劇場の雰囲気にはそぐわない気がして、断念。「髪結新三」といえば、「傘尽くし」なので、この季節限定の桜の装いに傘の帯をあわせました。
菊之助の演じる新三は、粋で鯔背な…でも最悪の男。二幕目で花道から湯屋帰りの設定で浴衣姿で登場するのですが、これが実に似合う。そして梅丸の演じるお熊が開放されたときに見やる新三の目つきが背筋が凍りそうなくらいリアリティがあって驚く…(((゜д゜;)))
傘尽くしの台詞、傘づかいもさすがで、この季節にこの演目ならではのちなみ柄でよかった♡っと自己満足。
「髪結新三」では、萬屋のご兄弟が活躍。
萬太郎さんの勝奴は、滑舌の良さがピッタリ。
「ちげえねぇ!」という台詞がこの人ほど似合う方もいないのでは。
鰹を捌く前に手拭いをササッと襷代わりにかけるのですが、その所作も美しい。
梅枝さんの忠七は、意外なほどハマっていました…。もしや虐げられる役が得意…?
そして草履の花緒が切れて和紙で紙縒りをつくる手つきが器用。
忠臣蔵のスピンオフ作品の「増補忠臣蔵 〜本蔵下屋敷〜」では、演じる三千歳姫が琴を弾くのですが、しぐさも演奏も美しく。竹本の方の目線がハラハラしてる印象ではあったのですが、それも臨場感があってよかった。
実は終演後に国立劇場伝統芸能情報館にて、萬屋ご兄弟のお話会がありました。
お写真はその時のもの。
着物と歌舞伎が好きでその良さを広げたいと、萬屋さんと懇意にしている着物勉強仲間が主催する「着物で歌舞伎」というイベントの一環。
着物好きの集まりなので、羽織裏までみせていただくという…^^;
お二人の着物コーディネートは、お母さまが選んだものだそうです。
市松文様の羽裏は江戸小紋の広瀬雄一さんが染めたもの。
萬太郎さんの羽裏は丹後の小林染工房の暈し染め
最後にちゃっかりお写真を撮っていただく♡
ありがとうございました。
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