着物を着ていると、たとえ普段着であっても、特別なことでも?と勘ぐられたりして、着物は好きだし着たいけれど、着るのを断念してしまったという方、きっといらっしゃるかと思います。

 

365日着物生活で、どこへでも着物でもいく、そんな私でも着物でいくことをずっと躊躇っていた場所があります。

 

ひとつは病院へのお見舞い。もうひとつは夫の実家です。

 

今年の秋、父が長期入院していました。(今は元気に働いております)
病院へのお見舞いは洋装で通う心づもりでいたのですが、「いつも通りにしてくれ」という父からの希望もあって、日常の着物のままでいきました。
 

他の患者さんやご家族の方が不快に思われたりしないかしら…とか、いろいろ考えると尻込みしなくもなかったのですが、先生や看護師の方も含めて、着物にたすき掛けした姿は好意的に受けとめてくださる方が多く、中には「毎日貴女の着物姿を楽しみにしている」といってくださる患者さんやご家族の方もいらして、周りからアレコレいわれることを恐れて尻込みしてしまうよりも、思い切って着物で通して良かったと思っています。

 

夫の実家へは結婚して12年目ぐらいから着物でいくようになりました。まずは夏祭りで浴衣姿が多いお盆の時期、そして年末年始。どちらも着物姿でも違和感のない時季です。まずはこの辺りから周りの眼を慣らすことに。そして家の中では着物から着物へチャチャッと着替えて(着替えに5分以上はつかわない)、着物でも問題なく動けるというところを何度も何度も体現してから、家族にも周りにもこの人はいつも着物なのね…という認識を植えつけました。今ではいつでも着物を着ています。

 

たぶん強烈だったのは、靭帯を切って松葉杖をついていても着物だったので、それでこの人はもう着物の人と誰もが周知されたかもしれません^_^;

 

病院のお見舞いも夫の実家も、普段着には小紋などは着ていません。テキパキ立働くことが出来る紬や木綿の着物です。

 

着物を着ると目立つのは事実ですので、勘ぐられたりアレコレいわれることもあるかもしれません。

 

ですがアレコレ言われたとしても、人様に迷惑をかけるようなことさえなければ、いつか周りも受け入れてくれるかもしれません。

 

それは諦めない気持ちと強い矜持と、そして努力次第です。

 

日本人にとって着物が縁遠くなってしまったのは「着物は高額で貴重なものである」と高い定価をつけて値段を下げて売るという販売をしてきた着物業界がつくった大きな負債だと思います。

 

それを取り戻すにはどうすれば良いのか。

偉そうなことを申し上げますが、正念場です。

 

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