着物を着る人があまりにもマイノリティ(社会的少数)ゆえに、着物を着ているだけで良くも悪くも特別感があるのが今の日本です。
今、若い世代で着物を着る人が急速に増えています。これから着物を着ることがもっと普通になりもっと着る人が増えたら、その中で特別感があるものは、やはり自然と共生し自然からの恵みと人の手によってつくられる染織になるのではないでしょうか。
なぜなら時代が逆行することはなく、産業革命以降は効率化が重視され、今では時間が何よりも貴重なのですから。
情報化社会で育ったこの先の次世代はお財布の紐は固いですが、その分確かなものを求める気質を持っています。彼らが自由に嗜好品につかう収入を得るようになったころに、果たして手仕事による確かなものは残っているだろうか…。
着物生活をしている私は、量産品や廉価品も着ますし、産地ものや作家ものも含めて様々なものを着ていますが、それが家の中であっても、やはり手仕事によってつくられたものを纏うとなんとも幸せな時間となります。
忙しない世の中です。
その中で自然の恵みと人の手間隙をかけてつくられるものは何よりも贅沢で豊かなもの。
着物を着る人を増やすことが、日本の風土によって育まれた手仕事による染織を伝承することにつながるのではないかな…と思っています。
そして、日本にこれほどの自然布が残っているのは、着物という一反の反物を8つに平面裁断した決まった形の中で生かされたからである…と考察しておりますので、着る、纏うという形で次世代に継承してほしいと願っています。
自然からの恵みと人の手によってつくられた美しい染織の数々。
「葛布と日本の自然布展」(〜12月3日まで) 静岡カントリー浜岡コース&ホテル カルチャーフロアにて。
大井川葛布工房の皆さまと
葛布だけでなく、アットゥシ、しな布、大麻布、手紡木綿、藤布、太布、芭蕉布、宮古上布。時代資料と現代の作品が並んでいます。
レポは時系列で追々。
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