「没後60年 川合玉堂 -四季•人々•自然-」(〜 12月24日まで)内覧会へ♪

 

日本の農村風景や山河を描いた川合玉堂。その世界感はほのぼのと優しい印象で、一見地味…なのですが、改めてみるとその構図には思い切った奥行きがあり、細かなこだわりがみられます。こういった作品は何度みても発見があって楽しい♪

 

いつもお世話になっております。山﨑妙子館長とカメラ

 

終戦の年に描かれたものだそうですが、長閑な日本の風景です。俯瞰した目線で描かれているからかいつみても新鮮です。

田んぼの畦道は「たらしこみ」といわれる琳派の技法で描かれています。色を塗り乾かないうちに別の色をたらしこんで滲ませることで独特の味がでるのです。

「早乙女」1945年(昭和20年) ◇ 山種美術館蔵

絣の前掛け、絣の着物の女性たち。そして稲を植えると広がる水の波形がしっかりと描かれています。

「早乙女」《部分》1945年(昭和20年) ◇ 山種美術館蔵

 

こちらは、光琳の紅白梅図屏風のような大胆な奥行きある構図の紅白梅の金屏風。

「紅白梅」1919年(大正8年) ◇ 玉堂美術館蔵

梅の枝はたらしこみの技法で描かれた琳派の影響を強く受けた作品。

「紅白梅」《部分》1919年(大正8年) ◇ 玉堂美術館蔵

 

「夏雨五位鷺図」1899年(明治32年) ◇ 玉堂美術館

雨の中佇む鷺。雨は白く光る画材をつかって描かれているのだそう。

「夏雨五位鷺図」《部分》1899年(明治32年) ◇ 玉堂美術館

 

皇室の最高儀礼である即位の大礼。その大饗の儀で飾られるのが、「悠紀主基地方風俗歌屏風」。大正天皇のご即位の大礼では、悠紀地方を野口小蘋,主基地方を竹内栖鳳が揮毫。昭和天皇のご即位の大礼では悠紀地方を川合玉堂,主基地方を山元春挙が担当しています。

 

「悠紀地方風俗屏風」1928年(昭和3年) ◇ 玉堂美術館

色づかいが大和絵のようですがモチーフは時代の日常そのものが描かれています。

額内に繧繝縁があることを発見。これは他の作品にもあるものなのか。気になるー。

「悠紀地方風俗屏風」《部分》1928年(昭和3年) ◇ 玉堂美術館

 

玉堂の作品の風景の中にみられる細かな描写の再発見もいくつかあったのですが、カメラとスマホの充電切れで撮影できず…。またそれらはいつかご紹介できたらいいなと思っています。

 

※撮影及び掲載許可を山種美術館よりいただいております。

 

山種美術館のカフェ椿でいただける青山菊家がつくる展覧会にちなんだ上生菓子。内覧会の特権でちょっとづつ全て味見させていただきました♡

私のおすすめは「渓雨紅樹」をモチーフにした黒糖風味大島あんの里の秋です。

 

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