第12回きもの文化検定まであと10日となりました。
きもの文化検定1級は第4回が初回。今では過去問もかなりの数にのぼり傾向と対策もつかみやすくなっています。第4回、5回までは、合格率が約5%という超難関であり、それにより第6回から準1級がつくられることになります。
何よりも、きもの文化検定がはじまった2006年頃には、ネット上に情報がなく、どう検索しても答えにいきつくことができない問題があったのです。
私が「きものカンタービレ♪」を公開にした切っ掛けはまさにここにあります。
< 着物愛好家が染織について知る糸口を残したい>
あれから10年、情報化社会は加速し、現在では糸口となる用語をつかめば、知りたいことはネット上からかなり手繰り寄せることができるようになりました。本当のところは自分で確認するしかありません。ですが試験勉強は遥かにしやすい。
受験対策の基本は、公式教本と過去問。ここ数年は対策問題集を含めると、出題の仕方は違っても過去と同じ問題が半分以上を占めています。対策セミナーからの出題も多くなっています。
そして問題をつくる側になって考えてみること。染織には産地による特徴や工程はありますが、その工程やしくみ、名称が一つではないこともあります。答えが統一されていないと問題としてはつくりにくい。文化庁指定の重要無形文化財や経済産業省指定の伝統的工芸品には指定条件がありますので、問題をつくりやすいのです。文化的なことでは、歴史や装束もこれに当てはまります。問題をつくる側のことを考えて勉強するのが合格への近道です。今年伝産指定になったところは、必須です。
一番のネックとなるのは「90分の時間で100問を解く、1問に1分以上の時間をかけることができない」これをクリアできない方が多いのではないでしょうか。
こればかりは慣れですので、自分で時間を計って過去問を解いていくということを繰返すしかないと思います。
リンク先からAmazonへ飛べます。美しいキモノのバッグナンバーは国立国会図書館にもありますが出版社へお問い合わせしてみてください。
●『きものと裂のことば案内』長崎巌著 ●
素材、染め、織り、形状、模様、時代別文様配置まで、わかりやすくまとめられています。基礎用語がまとめられていますがこれは必須です。
●『江戸のきものと衣生活』 丸山伸彦著 ●
きものの変遷を学ぶにおいて服飾様式の三原則を理解するのが大前提です。とくに平安期と江戸期は必ず抑えておきましょう。色から形への衣服装飾の変遷がつかめたら服飾史を知る糸口がつかめます。
●『十二単のはなし~現代皇室の装い~』 仙石宗久著 ●
漠然とした平安期の装束を解説する本は多々ありますが、宮内庁による承認のもとに現在の皇室の装束を写真付きで解説している本はこの本だけです。今上天皇陛下の即位の御大礼、大嘗祭、立太子、近年ですと出雲大社に嫁がれた高円宮家のお服あげを務められた衣紋道高倉流宗会頭による著書。
忘れもしない、第3回きもの文化検定2級問題では皇太子殿下ご成婚の装束の問題がありました。これが解けなかったために満点合格を逃してしまった!
●『図解 日本の装束』池上良太著 ●
古代の衣褌姿から現代の和装まで、種別、使用者、構成まで図解で網羅。ハンディタイプなので持ち歩きやすいのも勉強がしやすいです。私は今でも持ち歩いています。
●『男のきもの大全』 早坂伊織著 ●
意外と知らない男のきもの。侮るなかれ、過去にはこの本の中からいくつか1級問題がでています。男のきものだけでなく、きもの実生活に役立つ知識がわかりやすく書かれています。謂れや成り立ちの裏打ちもしっかりされています。
●「美しいキモノ 2015年〜2016年 通年特集 染織レッドリストを救え」●
次世代につなぐ…という主テーマをもって二年間特集が組まれました。染織では今はもうつくられていないものがたくさんありますが、これは今残っている染織を紹介しています。私も取材執筆しています。
●「美しいキモノ 2003年年間特集 染織デザインの系譜」●
染織の意匠表現を歴史的背景と共に網羅。
●「美しいキモノ 2005年年間特集 雛形でひもとく江戸小袖の意匠」●
雛形というファッションブックの誕生によって世界ではじめて流行が生まれたといっていい江戸のファッション。今の着物へつづく道筋です。
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引っ越しの荷物を整理中なのでまだ片付いていないのですが、これらの本はしょっちゅう読み返すので着物収納部屋の本棚でなく、身近に置いています。
きもの文化検定を受験される皆さま、来年の2月に京都でお目にかかれますように♡
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