「着物を着たいけれど着物友達がいないので着る機会がない」というお悩みを度々お聞きします。

 

着物に限らず、共通の趣味を持っている人との話は盛り上がりますし楽しいものですが、麻雀のように面子が揃わなければゲームそのものが成り立たないわけではありません。

 

着物は着物友達がいなくては着られないものでしょうか? 

 

それは「みんなが着物ならアレコレいわれない」そして「着物でいることが普通という安心感」と「自分だけじゃないという心強さ」からくる気持ちの問題のような気がします。

 

着物を着る人の多くは集団行動を好む傾向があります。「赤信号みんなで渡れば怖くない」的な、ハロウィンのようなイベントもありますし、楽しみ方は人それぞれです。

 

ですが個人的な見解を申しあげれば、必要なのは「仲間」というよりも「自分が着たいと思う着物に相応しい場」だと思います。

 

一口に着物といっても、礼装である黒留袖、色留袖、準礼装となる訪問着、パーティーに合う華やかな小紋、ちょっとしたお洒落着の小紋や紬、普段着の紬や木綿着と多岐に渡ります。

 

それぞれに相応しいTPOとドレスコードがありますが、着物だから面倒なのでなく、それは洋装でも同じこと。というか、洋装には昼夜のドレスコードもありますから洋装のほうが難しいです。 必要なのは、自分が着たい着物に相応しい場であり、それに連なる人間関係だと思うのです。

 

例えば、カクテルドレスでお友達とランチをすることはありませんので、カクテルドレスに相当する訪問着でのお友達とのランチには違和感を感じますが、訪問着を着る機会のない人同士で「あえて訪問着を着て楽しみましょう♡」という趣旨が統一された集まりなら、そうした楽しみ方もありだと思います。

 

日常に着物を楽しみたいなら、堂々と好きな着物を楽しんだほうが良いと思います。なぜなら、自分が着たいと思う着物がいつまでも着られるとは限りません。人は誰しも年をとっていくのですから。

 

着物を着て出掛けるのは、はじめは勇気がいるかもしれませんが、着物を頻繁に着ていたら、自分も周りもいつしか着物姿に慣れます。そして着物を着て楽しんでいたら自然と仲間ができると思います。

 

写真は「きもの文化検定」の工房見学会で訪れた八丈島。 きもの文化検定などの染織の学びで知り合うこともあります。

 

大人になっての出会いには相手が思うところがあって寄ってくる場合が多々ある
〝一友が増えると、一憂が増える〟

 

これは、故木村孝先生の著書に書かれている言葉ですがとてもあたっています。

 

着物関連で知りあう中には、ご自身も着物愛好家だけど着物愛好家をターゲットに商売をされている方もいます。なので、客であり友人であり、と曖昧なところでのお付き合いがはじまることが多々あります。それも踏まえての距離感を保つことも大切だと思います。

 

 

。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

 Facebookページに「いいね!」をくださる皆さまありがとうございます。

相互交流までの余裕がなく心苦しく思いますが、励みになっております。
皆さまの寛容さと染織に対する好奇心が私の原動力です♡

 

「きものカンタービレ♪」のFacebookページ矢印