虹色の藍染め アキヤマセイコさん at 美馬蚕糸記念館 / 2016年晩秋•阿波太布染織の旅 8 のつづき^^/

 

古代織産地連絡会の「阿波太布染織」について学ぶ旅。初日に阿波忌部研究家の林博章さんレクチャーで「忌部(いんべ)とは、穢れを忌み浄めるための集団という意味。古代から朝廷の祭祀を担当。阿波忌部は大和王権の立役者でもあり、日本各地に麻、穀(かじ)、を植え、農業、養蚕、製紙、建築などの技術を伝播させた技術集団でもある。古代は阿波と大和が深くつながっていた。そして伊勢神宮外宮の豊受大神は同一神であり、外宮の神官渡会氏は忌部氏の末裔」というお話がありました。

 

天皇陛下のご即位後はじめての新嘗祭である大嘗祭に奉納される「麁服•荒妙(あらたえ)」は、鎌倉時代から阿波忌部の直系の末裔である三木家でつくられています。今回の旅では三木家には立ち寄っていませんが、資料がある山川地域総合センターを訪ねました。

美馬市より少し東へ戻り吉野川市にありました。ちなみに三木家は穴吹川から山道を6km登った山の中腹にあり大型バスではいくことができないのだそう。

古代織産地連絡会の大井川葛布の村井龍彦さん、村井良子さんとカメラ

 

麁服は大麻の繊維からつくられます。

 

山川地域総合センターでは、大麻草の栽培から精麻づくり、初紡式といわれる糸づくり、織って麁服になるまでがパネル展示で紹介されています。

 

戦後はじめてとなった平成の大嘗祭では、徳島ではすでに大麻栽培の技術が途絶えており、伊勢神宮に奉納されている群馬県の岩島麻の種子を岩島麻保存会が現地に出向いて提供し栽培から麻挽きまで技術指導し大嘗祭に間に合わせたということです。

「麻•藍•布 〜繊維つくり、布つくり、染めの技の伝承公開〜」at 渋谷ヒカリエ

こちらが精麻。大麻草の靭皮からレッティングし繊維を取り出したものです。清めの儀式につかわれるもので、水でも塩でも祓えないものを祓うことができるもの。

山崎忌部神社にて5人の紡女が千早に緋袴装束で、精麻から糸をつくり麁服を織りあげます。糸繰り機、整経、織機などは山崎忌部神社より吉野川市に寄贈されたものです。山崎忌部神社には三木家が大嘗祭のために麁服を織った「麁服織殿跡」が今も残されています。

織りあがった麁服。

大嘗祭では陛下は麁服を身につけるのではなく、麁服に息を吹きかける儀式をされるとのこと。天皇家の衣紋者である高倉流宗会頭の仙石宗久先生に教えていただきました。

 

麁服は日本古来からある大麻繊維の織物ですが、大麻が繊維として浄めの儀式につかわれる神聖さが、薬理作用があるマリファナと混同されてしまい、思い込みの激しい方々によるスピリチュアルな信仰や良からぬことに利用したい人々による間違った情報が錯綜し横行することになってしまいました。

 

日本人がどのように大麻と向き合ってきたのか。それは今も歴史が語っています。

 

阿波の旅レポつづきます♪

 

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