先日「きものカンタービレ♪」でとりあげました、第4回和装振興協議会についての記事に対して、経済産業省より返答をいただいております。長文ですが、誤解のないように、そのまま掲載させていただくことにいたしました。消費者の方も、着物業界の方も、ぜひご一読いただければと思います。

 

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ブログで和装振興協議会を取り上げていただき、ありがとうございます。
お返事が遅くなって失礼しました。

今回、「和装業界の商慣行に関する指針」が協議会によってとりまとめられたことは、物足りない点もあるかもしれませんが、今までこうした議論が公の場で必ずしもなされてこなかったことを考えれば、まずは「第一歩」として、それ自体大きな意義を有するものだと考えています。

特に、随所で「消費者本位」ということを強調していること、例えば、前文において、「自らの目先の利益にとらわれるのではなく、消費者本位の商品・サービスを提供し、消費者との継続的な信頼関係を構築することが不可欠である。また、各事業者がこのように消費者本位の商品やサービスを提供することで、和装が消費者の生活や文化に一層の豊かさをもたらし、これにより和装市場が活性化し、各事業者及び業界全体も更に発展するという好循環を持続的に実現することが重要である」としていることは、非常に重要な指摘です。

協議会において了承されたように、今後、協議会に参加している和装関係の業界団体において、しっかり各業者に指針を周知していただき、指針の着実な実施に取り組んでいただくこととしています。
指針は原則を示したものなので、具体的にどのように指針を具体化し、実施していくかは、今後、業界団体等においてきちんと考えていただく必要があります。
そういう意味で、この指針に対し、業界が今後どのように具体的に取り組んでいくのか、取り組むことができるのかは、これからまさに業界が試され、問われることになります。また、実際の取組状況については、今後の協議会においても、各団体から報告していただく予定です。

なお、指針はあくまでも商慣行についてのものです。商慣行の適正化のみで和装振興が実現するものではないとの指摘もあります。
しかしながら、商慣行の適正化は和装振興にとって(十分条件ではありませんが)必要条件であり、今後和装が持続的に発展するためには不可欠であると考えています

と同時に、報告書の前文に「本指針の実践と併せ、各事業者において、生産・流通過程の効率化の必要性に留意しつつ、内外の消費者の潜在的なニーズの掘り起こしや着用シーン・スタイル等の提案を含め、消費者の多様なニーズに対応した付加価値の高い商品・サービスの企画・製造・販売が進むことを強く期待する」とあるように、和装振興のためには、消費者本位で付加価値の高い商品・サービスの企画・製造・販売が決定的に重要であり、各社において創意工夫を発揮し意欲的に取り組んでいただく必要があると考えています。

消費者の皆様にも、こうした指針の内容や趣旨をご理解いただき、もし指針の趣旨に合致しない業者等があれば、指針を掲げてしっかり声を上げていただきたいと考えていますし、もし指針の趣旨に照らして問題のある事例等があれば、私たちに具体的に声を寄せていただければと思います。

以上を踏まえ、洋装と和装のどちらを選択するかは、まさに各消費者の判断であり、洋装にしろ、和装にしろ、そうした消費者の判断にいかに答えられるかということだと認識しています。

いずれにせよ、朝香様には、今後とも、和装振興のため、貴重なご意見をいただければ幸いに存じます。

なお、このお返事は、ブログに、私からの返事ということで掲載していただいてけっこうです。

よろしくお願いいたします。

杉山 真
経済産業省製造産業局生活製品課長

 

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ものすごくザックリいってしまうと、

 

〜 今までこうした議論がなされていなかった、着物業界での「0」の状態から「1」の状態にまで、経済産業省としてはもっていった、話し合いの場をつくった、それが大きな意義であり、その先は業界団体の周知と実施にかかっている 〜

 

ということかと思います。

そして、

 

〜 消費者の皆さまにも、指針の趣旨に照らして問題のある事例等があれば、私たちに具体的に声を寄せていただければと思います。〜

 

とありますので、私としても消費者の方には、SNSや仲間内や匿名掲示板で不平不満を垂れたり、机上の空論を語るより、ご自分の力で(時間と労力をつかって)公的にも有効で代案のあるアクションを起こしていただきたいと切に願います。

 

経済産業省の方々には、一消費者である私のブログに、誠意をもってご回答くださったことに感謝申し上げます。

 

最後に、もうひと言(ふた言?)、念押しさせていただきますと、

 

和装を「ユネスコ無形文化遺産」へ登録するより、和装を義務教育に取り入れるほうが先決で具体的だと思います。

 

第三回和装振興協議会の日に経済産業省で実施された「着物でMETI!」

 

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「きものカンタービレ♪」は限定記事はブログでも書いておりません。すべて多くの方に、着物について知ってほしいという一心とその為の布石です。なのでもともとシェア•リブログ歓迎です。今回は経済産業省という国の機関が、一個人からのアプローチに対しての返答というケースであること。何よりも【着物の商慣行】について多くの方への周知と実施がなされるように、ご協力いただければ幸いです。

 

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