「第55回 染芸展」が東京都立産業貿易センター台東館にて開催中(〜2月5日まで)
東京都工芸染色協同組合主催による東京手描き友禅のコンクールです。一般の方も自由にみることができて、友禅挿しの体験もあります。


東京友禅は京友禅と加賀友禅と共に三大友禅のひとつ。古典的な雅やかさではなく、渋く抑えた色調、金彩はほとんどなく、洗練された意匠と高い技術力、の絵画的な作風が特徴です。

染芸展の作品は作家の個性が強く打ちだされていて、伝統工芸展にはない技法の併用もみることができます。伝統工芸展では友禅なら友禅の技法がトコトン特化されたもの、染芸展は技法の併用、例えば友禅に型染めを少しつかうとか、臈纈や墨流しとか、自由な感じでしょうか。


岩間奨先生とカメラ
衣桁にかかっていると大胆ですが、とっても柔らかくて優しい色。桜の樹の幹は下前になるので着姿は満開の桜の花に覆われるであろう作品。後姿から着装している人が桜の樹のようにもみえそうですね。


小倉貞右先生と小倉隆先生とカメラ
親子展をはじめられたときは、並べるのは酷なのでは…と思ったぐらいだったのですが、隆先生の成長が著しく驚きました。ぐっと成長されて洗練された作品になっています。


町田久美子先生とカメラ
擬人化されている瓢箪の意匠が楽しい。お花見の酒宴にピッタリな染め帯。


水橋さおり先生とカメラ
皇帝ペンギンは集団蕃殖をする鳥類で、共同保育所のようなところで育っていくのだそう。それを「クレイシ」というそうです。雛から親までズラッと並んでいるのも壮観ですがペンギンのシルエットになっている意匠も素敵。訪問着の雀が樹々の中にいる意匠も可愛い♡


小倉悟先生カメラ
実際に着用されて着心地や着姿にこだわった作品づくりをされています。半練りの白生地はしっとりとして独特の光沢がありました。御召になられていた羽織がまた素敵だった♪

羽裏には宇宙が蒔き糊で描かれています


高橋孝之先生とカメラ
この気泡のような細胞のようなものは、墨流しで染料を落としたときにできるもの。墨流し体験をしていなければわからなかったことです。これを意匠化させてしまうというのが面白い。

阿部信行先生とカメラ
臈纈染の美しさを再認識した作品。生地の地模様に木立と樹木の奥行きと陰影が素晴らしく映えていました。


染谷洋先生とカメラ
糸目を生かした作品、糸目はない作品、と同じ作家のもの!?と思うような作品を数点だされています。個展ではなくても、1点だけでなく数点展示されているからこそわかる、作家の多様な技ですね。


生駒暉夫先生とカメラ
躍動感ある紅葉の葉は、友禅と型染めの併用されているのだそう。シルエットが意匠化されている奥行き感の訪問着はいつか着てみたい♪いつ拝見しても生駒先生の仕事は丁寧で素晴らしい。そして後継者育成にも力を入れられています。
生駒先生のお弟子さんのお二人。
奨励賞を受賞された栗田奈央巳さんと染芸賞を受賞された伊藤中さんとカメラ
これから先が楽しみなお二人です♪

※会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載許可を主催者さまよりいただいております。

染芸展の後、焼き鳥屋さんで初日の打ち上げに便乗させていただきました。
高橋孝之先生、生駒暉夫先生、染谷洋先生とカメラ
作家さんとの何気ない話からみえてくるものがある…というか、後々わかることがあるように思います。江戸時代の胴服の友禅と絞りの併用は糸目が先か、絞りが先か…というような話は、なぜか別れ際にでる^^;


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