「麻のきもの•絹のきもの」展が、文化学園服飾博物館にて開催中(〜 2月20日まで)


古の昔より日本人の生活の共にあった、麻(大麻•苧麻)そして絹。身分制度があった時代は、絹を纏うことが許されたのは支配階級だけであり、庶民は麻の衣服を着ていました。かつて「布」といえば、大麻や苧麻、自然布のことでしたが、麻は草の皮から繊維を採る靭皮繊維の総称としてつかわれていることにより、大麻(ヘンプ)、苧麻(ラミー)、亜麻(リネン)、黄麻(ジュード)、手績糸と紡績糸も表記が混在して、とてもまぎらわしい状況です。この展覧会は「麻と絹のきもの地がどのようにつくられているのか」ということが趣旨となっているために、とてもわかりやすくきちんと表記されていました。

岩島麻(大麻)と昭和村の苧麻(からむし)の栽培から糸づくりまでが、資料映像と共に紹介され対比展示となっているのでわかりやすい。それぞれの糸に触れることもできます。

絹は、日本へ西洋から繰糸技術が伝来し、イタリー式とフランス式の折衷ともいえる諏訪式繰糸機による繰糸の資料映像など。

ちなみに、近代製糸業の歴史と繰糸機については、こちらで詳しくレポしております。

養蚕~近代製糸業と岡谷~岡谷の工女
きもの文化検定1級対策 / 諏訪式繰糸機 フランス式とイタリア式の違い
手挽きから座繰り、そして近代製糸へ
宮坂製糸所 〜上州式座繰り繰糸、諏訪式座繰り繰糸、自動繰糸〜

作業工程でつかわれる道具を技術と結びつけた展示がされているのは、東京文化財研究所の協力による賜物かと。


大正天皇の御祭服と産着も展示されています。御祭服は生絹。精練されていないセリシンがついた絹織物ですので、パリッとした装束となっています。染色もされていない生成色。産着には十六葉表菊の箔押しがされています。

興味深い展示が多かったです。期間中にまた足を運びたいと思っております。
なぜなら…、メモ書きが行方不明。 なので行かねば。

東京文化財研究所の菊池理予さん、岡谷蚕糸博物館の林久美子さんとカメラ


東京都文化財研究所による公開学術講座のレポは別記事で。
※取材許可をいただいております。

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