NHK文化センター主催 長崎巌先生の「絵画に描かれたきもの 〜絵師たちの表現〜 」第3回は「鏑木清方と上村松園の着物表現」


日本での「美術」という用語は、1873年(明治6年)ウィーン万国博覧会へ出品するにあたってつくられました。そこから新たな美術染織の鑑賞物としての価値観が生まれたとされています。日本では美術と工芸の区別が曖昧である。辻惟雄先生が提唱されている「かざり」という装飾性の概念、そして作家の概念は鑑賞されている歴史の長さを伴っている。日本に古くからある作家ものといったら、絵画の他は刀剣であるという、興味深いお話からスタート。

上村松園の服装に対する価値観、それがどのように反映されているのか。松園は、女性が華美な服装をすることや目新しい流行を追うことに批判的であり、新しく現代的なものより伝統的なものを好み、強い関心と客観的な観察眼で風俗をみていた。そして自分の美意識に合致したものを描き伝統的風俗を守ることを使命と感じていたとのこと。ゆえに松園が好んだ江戸時代後期の服飾表現の女性像が多く、中には美意識に従って江戸時代にはないものと明治時代のものを組み合わせて描いたものもみられる。松園は古典の本質を理解したうえで、独自の世界をつくりあげている。

そして「現代のゆとり教育が生みだした自分の価値観がなく平等の安心感というのは、ものを適切に判断できなくなる…」というお話がありました。

まさに…強烈な平等意識やドレスコードの曖昧さがもたらしている、<染織文化の衰弱>を憂いている私にとっては、ポンと膝を打つような検証でした。

講義終了後、撮影のためにこの画面をいただきました!
長崎先生のコアな次なる講座も楽しみにお待ちしております。

 
【1月27日の装い】東京◇晴れ(湿度39%) / 最低気温1℃ 最高気温16℃

上田紬に森口華弘の梅の手描き染め帯をコーディネート

帯あげは京都きねや、帯〆は龍工房

Textile cocoonのネパールの大麻糸の花緒をつかったカレンブロッソ

バッグは松枝忍の古布コラージュ


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