盛岡の草紫堂の南部絞りの木綿

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袖口をみていただければわかると思いますが、袷で仕立てています。胴裏と八掛は白山紬地の紫根染です。

 

袷の木綿着物を着ていたら「木綿着物には裏地をつけないのが決まりごと」という話をお聞きして仰天@@; 着物は遠くになりにけり…だなとつくづく。。。

 

木綿着物は単衣で仕立てることが多いですが、木綿地はすべりが悪く絹地の胴裏と八掛をつけたほうが着やすく動きやすいです。木綿地にも色々ありますが、ごわっとしたものもペラッとしたものも袷の仕立てには向きません。柔らかくて弾力性のあるしっかりした木綿地は袷の仕立てにも向いています。

 

ただし、木綿と絹では伸縮率が違いますので、吊るしておけば袋状になりますので、仕立てる前に、どちらの生地もしっかりと水通しをしてこれ以上縮まないようにしなければなりません。

 

ですが、もともと木綿の着物というものは庶民の普段着であり、着物生活の中でのちょっとの縮みは取るにならぬことだったのではないでしょうか。一昔前までは、季節ごとに家庭で着物の仕立てを解き洗い張りをして仕立て直しをしていたのですから…。

 

「作家ものの久留米絣を袷で仕立ててしまったのですが、呉服屋さんの間違いですか?」というご質問のメールをいただきましたが、おそらく、その呉服屋さんは、お客様がご自分で水洗いしたりせずに悉皆屋さんにだす、そして木綿着物だけど普段着というよりもよそいきの着物として着られる、帯とのコーディネートを考えてとか、お客様が着る季節や汎用性を考慮した上で袷に仕立てられたのではないかなと…。(推察ですが)もしくは私のように、着やすさや動きやすさを重視されたとか…。いずれにしても、間違いというよりは相互の確認不足のように思いました。

※このご質問についての掲載許可は質問者さまよりいただいております

 

着物をどう楽しむか、着物とどう向き合って付き合うかは人それぞれだと思いますが、日常の着物でのきまりごとは「左前で着ない」ぐらいかと思います。

 

【1月5日の装い】東京◇晴れ(湿度36℃) / 最低気温5℃ 最高気温10℃

 

草紫堂の木綿の紫根染に松に烏のアンティーク刺繍帯をコーディネート

帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房。紫×緑は大好きな色あわせです♡

 

南部絞りの木綿着物は現在はつくられていません。着物がよそいきになりすぎたことや、木綿着物にあう胴裏や八掛の白山紬地もつくられていないことが理由なのかもしれません。

 

大切にしなければ…と思っているのですが、気に入っているだけについヘビロテに。

着物は着てこそのものですので、大事にしつつたくさん着て楽しみたいと思います。

 

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