丹後の小林染工房の染め実演を見学に伊勢丹新宿店呉服売場へ♪

(1月5日〜9日まで。14時〜、16時〜、各20分程度)

 

百貨店で実演されるとお聞きし「ん?柱もないのにどうやって反物を張るのだろう…」と謎だったのですが、舞台セットのようにラインティング付の枠が用意されていて伸子張りをしたものが張れるようになっていました(ノ゚ο゚)ノ

百貨店の染織の実演はそれこそいっぱいみていますが、伸子張りをした反物に引き染めというのははじめて拝見します。

道具類は丹後からすべて持ち込み

染料だけでもかなりの数です。引き染めの場合、刷毛についた染料が床に落ちることがありますが、絨毯が敷かれ対策されていました。

 

●「しけ引き」の実演●

 

「しけ引き」には「絓引き」と「志毛引き」の表記がみられますが、友禅としては「絓引き」、牛首紬の後染めとしては「志毛引き」とされることが多いようです。
「絓引き」は絓を織り込んだような細い線ができることが由来。小林染工房のしけ引きは、フリーハンドで生みだされる色気がありますので「しけ引き」の表記のほうが相応しい気がします。 ※「絓」には絹の粗い糸という意味があります。

 

 

白生地に染料を均一に染めるための地入れから。


呉汁や布海苔ではなく地入れ剤とカルボキシメチルセルロースがつかわれています。

中国の山馬の毛をつかった「しけ刷毛」。山馬(サンバー)は水鹿といわれる鹿のこと。現在ではワシントン条約により国際間での取引が禁止されてしまって貴重品となっています。しけ刷毛のギザギザは小林さんが散髪。貴重なものですので常に刷毛はストックされているのだそう。

この美しい縞はすべてフリーハンドで染められています。

フリーハンドで染められることによって小林染工房のしけ引きは画一的でなく立体感が生まれ「色気」が生まれるのです♡ ただの縞じゃないのが魅力。

写真ではよくわかりませんが、小林染工房ならではの色気のあるしけ引きの縞が生まれるとこをぜひみてください。

 

お客様の姿は写り込まないように撮影しておりますが、小林さんのファンの方がたくさんいらしていて実演は人だかりでした。

 

実演の後は、小林さんが東京にいらしたということで、丹後で染め体験をさせていただいたきもの勉強仲間と新年会。

ガラス工房の釜で、小林さんが釣った白烏賊のピザをいただきました♪

皆さまの持ち寄りのお料理も美味しかったです〜ヽ(゜▽、゜)ノ

 

多湿の丹後の工房でひとりで黙々とされる染めと、乾燥しきったギャラリーいっぱいの百貨店でされる実演では、環境が違いすぎると思いますが、こなされてしまうのが小林さんのスゴイところ。

生みだされる作品にもそのお人柄とポジティブな精神があらわれています♪

 

 

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