越後三産地(小千谷•塩沢•十日町)合同織物新作発表会へ♪


この発表会は業者さんの買い付けのためのものなので、一般消費者は入ることができませんが、「きものカンタービレ♪」の取材の一環として、毎年産地からお招きいただいております。

 

小千谷織物同業協同組合の皆さまとカメラ

「男のくつろぎのひととき」という看板の下に集まったのがなんだか可笑しい^^;

 

江戸時代に木綿が普及するまでは布といえば麻のことをいいました。麻布の中にも、庶民が着るものから上布のような献上品まで、ピンからキリまでありますが、昔は絹を纏うことが許されたのは支配階級のみだったため、木綿が普及するまで庶民の衣服は真冬でも麻でした。東北地方では麻布に刺子刺繍をするなど防寒対策を兼ねた工夫もみられます。

 

所謂現在の「衣替え」は明治政府の定めた役人の制服の衣替えに倣ったものであり、日本人がきものを日常で着なくなってしまった戦後に着付け教室なるものがでてきたときに、わかりやすいルール(教えやすいルール)としてつくられたもの。北から南まで気温差があり、さらに温暖化のすすんだ昨今、日常的に着るもので暑いのに無理をして着付教室のつくった着用ルールにあわせる必要はないように思います。そんなことにこだわるから、きものを着ることを諦める人がでてくる…(-。-;)


麻は速乾性に優れ清涼感があります。何よりも麻は水に強く洗えるのです。汗をかくのが前提の夏のきものは水洗いできるものが実用的です。小千谷縮のシボはアイロン入らずなのもアイロン掛けが苦手な私にはありがたい。そしてスコールのような大雨の中でも麻なら絹のように縮む心配もありません。

重要無形文化財の指定条件を兼ねそろえた小千谷縮や越後上布を日常着として着倒すとこはおいそれとできませんが、摺込捺染で絣つけしたものや機械紡績苧麻糸であるラミーの糸をつかったお手頃価格の小千谷縮は湿度の高い日本の夏にはピッタリの素材なのです。どちらもじっくり見比べて学ばせていただいております。

 

今回は普段着の紺仁の綿麻紅梅を。白とのメリハリがあるものをチョイス。

この型紙の道行を持っていたことに後で気がつきました。鳥好きだから…。

 

徳島で阿波太布を学んでから気になっている楮の生地。

着心地を比べたいこともあって購入。織田工房の経糸は紙糸、緯糸は楮糸の楮紙布。糸は撚りつなぎではなく機結び。そして緯糸は重ねて織り込んでいるのだそう。

ピアノの鍵盤文様というのも、カンタービレらしくて◎

 

塩沢織物工業組合の皆さまとカメラ

 

本塩沢(塩沢御召)はもともと越後で織られていた麻縮の技法を応用してつくられた絹織物。八丁撚糸といわれる強い撚りをかけた右撚りと左撚りの緯糸を交互に織りあげ、湯もみによって撚りを戻して生地を縮ませシボをだしたシャリ感をだします。独特のシャリ感と纏ったときの裾への落ち感、そして身体に沿う感じが着心地が好きなので私は年中、本塩沢を着ています。好みの本塩沢…、なかなかでてこないー。

 

そして展示会の後はこの方達についていきました♡

右から反時計回りに、紺仁の11代目松井均さん、イオリスクの早坂伊織さん、重要無形文化財の小千谷縮、越後上布の上信織物の伝統工芸士上村昭一さん、山岸織物の山岸良三さん、そして私。越後の方々と越後のお酒を人形町で飲む♪

 

「きものカンタービレ♪」のFacebookページ矢印