江戸時代に綿が普及するまでは布といえば麻(大麻•苧麻)のことでした。そして麻の栽培がされるまで、古代の人々は野山に自生する植物から繊維を取り出して布を織っていました。その代表的なものが、藤布、科布、そして葛布です。これらは古代布または自然布といわれています。

 

古代織産地連絡会は、科布、葛布、藤布、芭蕉布、宮古上布、大麻布、和棉、アットゥシ織、太布、といった、日本古来からつづいている、植物から繊維を取り出して糸にし、織物としている産地工房の集合体です。

 

植物から繊維を取り出して糸にする。現代の日常生活では知ることの無い驚くほどの感動を得ることができますが、とにかく大変に手間がかかる作業です。量産化と効率化がすすんだ現在まで、これだけ多種類の自然布が残っているのは世界でも珍しいといわれています。産業化された日本で残っているのは奇跡に近いことなのです。

 

植物繊維は大きく3つにわけられます。(古代織産地連絡会の中での例)
◎種子繊維(和棉)
◎靭皮繊維(大麻、苧麻、葛、シナノキ、藤、オヒョウ、楮)
◎葉脈繊維(芭蕉)


畑なのか野生なのか
◎畑(大麻、和棉、芭蕉、苧麻)
◎野生(シナノキ、葛、藤、オヒョウ、楮)

 

古代織産地連絡会の旅は、これらのつくり手と産地を巡る貴重な機会。つくり手同士の会話にいつも聞き耳を立てております♪

 

今回は、参加産地が少なく、自然布展やシンポジウムが開催されたかったことは残念でしたが、1人では決していくことはできないであろう、徳島の深い深い山奥の木頭という村でつくられる、太布を知る旅でした。

 

実は太布を知る旅は私がリクエストさせていただきました。そのときに「こんなマイナーなところに行きたい人、朝香さんの他にいるかなあ…」と葛布の村井龍彦さんにいわれたのですが、日本全国から布愛好家が集まることに。布に興味がある、布について深く知りたいという人は、つくり手の方々が思っているよりも多いと思います。(購買に結びつくかどうかはまた別の問題ではあるのですが…)

 

大変に手間のかかる自然布は、日本の中でも交通の便が悪いところにのみ残っているのが現状です。だからこそ自然と共生し残ったともいえます。これを次世代まで残すためには、販売の流通にのせなければなりませんが、何よりもより多くの方に知っていただくということが必要だと思っております。

 

古の昔からつづけられている糸づくりと染織の世界。このブログをみた方が興味を持って現地を訪れてくださり、少しでも地域の活性化のお役に立てたらいいな…と願ってレポートしております。なので、美しい景色や美味しいものも時々ご紹介しております。

 

今回の旅は、関西集合。関西から徳島市内は日帰りができるほど近いのです。私は伊丹空港で皆さまと合流いたしました。この日は抜けるような青空が広がる好天。

途中の淡路島のパーキングエリアから明石海峡大橋を望む目

徳島への入口といえば、淡路島と明石海峡。明石といえば、鯛でしょう!

ということで、鯛の描かれた古布コラージュのバッグ鯛  金魚

そして蛸は絶品でした!

 

国産みの神話では最初につくられたという、淡路島は阿波の国への入口であることから、阿波への道、阿波路→淡路といわれています。

 

そして、大鳴門橋を渡って四国へと入ります♪

大鳴門橋は橋桁下部に渦の道という遊歩道があって橋から鳴門の渦潮をみることができます。でも観光船にのって渦潮近くまでいくのが楽しそうです♪

今回は観光は一切無しの染織onlyの旅でしたので、通過。

※大鳴門橋の写真は、wikipedia commons より

 

阿波の国の旅レポ、つづきます♪

 

「きものカンタービレ♪」のFacebookページ矢印