祇園祭(7月13日) 長刀鉾の稚児社参 / 2016年祇園祭 その3  のつづき(^-^)/

祇園祭の中でもとくに興味があったのが山鉾に飾られる懸装品。懸装品には江戸時代にヨーロッパやアジアから渡ってきたタペストリーや絨毯、そしてそれを日本で復元新調したもの、日本画の巨匠の下絵による織り、織だけでなく友禅や紅型などの染め、そして刺繍、さまざまな染織品があるのです。これらは13日から各山鉾の会所に飾られています。これを拝見してまわるのが面白かったヾ(@°▽°@)ノ

そして懸装品は宵山まで会所に飾られたものが巡行のときに山鉾に飾られることになります。

拡張現実の世界での<ポケモンget!>も、祇園祭の会所巡りも、コンプリートの達成感は似たようなものかもしれませんが、知識の広がりには大きく差がでるように思います。「朝香さんって、いつもきもののことばっかり考えているんですか?」と、聞かれますが…、そんなことはありません^^; あくまでも趣味のひとつです。

「長刀鉾」の会所拝見

古来より「くじ取らず」の鉾として山鉾巡行の先頭をいきます。なぜなら生稚児による「注連縄切り」の儀式があるため。鉾の頭に大きな長刀があるのが特徴です。もとは三条小鍛冶宗近が娘の病気平癒を願って鍛えた刀を奉納したものがつかわれていたと伝わっています。刀の刃先は八坂神社と御所には向かないように南向き。

長刀鉾は現在も女人禁制が守られており女性は鉾へあがることができません。

長刀鉾の天井内部の縁縁は三十六禽の鳥獣と赤地の錦に鋲打された星辰28宿の星座があるようです。


歴代のお稚児さんの写真と装束、そして懸装品が飾られています。

伊藤若冲「旭日鳳凰図」の「見送り」 ※見送りとは鉾の背面を飾る懸装品
800色の絹糸と金糸の綴織。原画同様の白い斑点がみられます。製作は川島織物セルコン。


水引は「緋羅紗地五彩雲麒麟図刺繍」
狩野派の鶴沢探山門下の大森捜雲の下絵を元に、松屋庄兵衛、松屋文右衛門が刺繍したものを川島織物セルコンが復元新調したもの。  
胴懸は「十華図」「梅樹図」「玉取り唐獅子」 16世紀〜18世紀に渡来した舶来の絨毯。    


お稚児さんの装束「エ霞に秋草の市松文様の絽振袖」「雲に羊歯立涌の狩衣水干」
稚児は約ひと月の間にさまざまな神事に奉仕することになります。装束は巡行に近づくに従って格があがっていくようです。


このペースで各山鉾を紹介していったら、ひと月かかりそう…(・_・;)
会所巡り、つづきます。

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