社会人のための歌舞伎鑑賞教室へ目

国立劇場の母体である日本芸術文化振興会により伝統文化育成の為のひとつとして、より多くの世代に楽しんでもらえるよう、毎年6月と7月は「歌舞伎鑑賞教室」が開催されています。代表作がわかりやすい解説付でお手頃価格で楽しめるようになっているのです。社会人のための歌舞伎鑑賞教室の開演は19時と会社帰りにも立ち寄れる時間です。

演目のあらすじと解説、そして出演者へのインタビューもあるパンフレットも無料配布されます。


●解説「歌舞伎のみかた」

セリの廻り舞台が波打つように上下する中幕が開き、花道脇のスッポンから萬太郎丈が現れました!
萬太郎丈の声は滑舌が良くてらっしゃるので心地よく聞きとりやすい♪今年の解説は昨年よりもさらに固さがとれて余裕が感じられました。近い将来には司会業で活躍されるのでは…と予想。逸材だと思います。

まずは、廻り舞台、スッポンの解説、付け打ち(役柄や場面にあわせて拍子木で音をだす演出)と立役と女形の走り方の違い、荒事と世話物の違い。荒事の説明では景清が登場。立回りから飛び六方で去っていきました。世話物では髪結新三と弥太五郎源七が現れて深川閻魔堂のシーンを再現します。なんと贅沢な解説でしょう~♪ そして下座音楽についての解説では黒御簾から演奏者が登場しました。これも新鮮。

舞台前のお忙しい中、来てくださった萬太郎丈とお母さまである時蔵丈の奥様とカメラ


じつは舞台鑑賞の前に、萬屋さんと懇意にしていらっしゃる方の主宰による「着物で歌舞伎」という企画による茶話会が国立劇場に隣接しているグランドアーク半蔵門のカフェにてありましたヾ(@°▽°@)ノ

舞台の前の役者さんとお話ができる!そして詳細な見どころ解説のレジュメ付き。←ありがとうございますドキドキ
着物好きならではの鑑賞ポイントや梅枝丈、萬太郎丈へのインタビューも興味深し。


●「新皿屋舗月雨暈 ~魚屋宗五郎~」

御家騒動に巻き込まれ無実の罪で殿様に殺されてしまった妹のことを知り、禁酒をやぶって飲んでしまう魚屋宗五郎…。その殿様も酒乱でありそこを悪い家来に利用されてのことなのですが…。この辺りのお話は、一枚、二枚…、の皿屋敷が下敷きになっています。でも怪談としては描かれていません。お殿様の萬太郎は幼さの中に品格があって、通しでは見ていなくてもその後の展開が、なるほど~と思わせるものでした。

魚屋宗五郎は、酒乱の宗五郎とその家族の小気味よいテンポが楽しい芝居。橋之助の宗五郎、梅枝のおはま、意外なペアだったのですがとても良かった! お姫様が似合う梅枝のしっかりものの女房役があんなに嵌まるとは、ちょっとびっくり。花道で宗五郎を追いかけていくところはキュンとします。

梅枝丈と奥様、そして七代目時蔵? 


お土産にいただいた芝榮太樓の新神もち。青梅と生姜のお餅でした。美味しい~o(^-^)o


●歌舞伎鑑賞の装い

魚屋宗五郎にちなんで魚文様、皿屋敷にちなんで和皿文様も考えたのですが、季節ものを選びました。

【6月10日の装い】東京◇晴れ(湿度50%) / 最低気温18℃ 最高気温28℃

志ま亀の貝文様の単衣小紋に扇面に八つ橋文様の絽塩瀬の帯をコーディネート
杜若は5月には開花しますので着納めでしょうか。着用時期が短いのですが好きな意匠なのですドキドキ

帯あげは京都きねやの絽ちりめん、帯〆は志ま亀

バッグはかづら清老舗の松尽くし文様、ぞうりは小林染工房の丹後ブルーのしけ引き花緒のカレンブロッソ


麻の日傘は遊中川。麻の葉文様の刺繍がされています。


歌舞伎鑑賞の装いにはとくに決まりはありません。私はよく<ちなみ柄>を選びますが、あくまでも自己満足でございます。楽しい装いは人それぞれですので、自由で良いと思います♪

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