10日前のことになりますが…、三越の「三彩会」へカメラ

会場はホテルオークラのアスコットホール。美術展なども開催されるところなので、重厚感がある雰囲気がとても気に入っています。三越の展示会は落ちついてみることができるのも良いですね。お食事もご用意くださるのですが、私的には接待無用。じっくりきものを楽しみたいです。


川島織物の綴帯の特集

神坂雪佳が日本の名所を描いた浅野総一郎の別邸紫雲閣の天井画は川島織物の綴織で織られていました。残念ながら紫雲閣は焼失してしまい天井画は残されていませんが、その原画は川島織物に残されています。一部のみが復元されていました。

伊勢神宮の社殿と鶏が描かれています

綴織は織っているときにみえているのは裏面

下図には緯糸の番号が書かれているので照らし合わせて緯糸をつかいます


女性の職人さんが実演をされていました。

綴織はピンと張った経糸を杼ですくって、爪先で緯糸を掻き寄せて織り込みます。

爪はこのようにギザギザになっているのです。

このヤスリで研ぎながら作業をされています。

経糸を隠すように緯糸を斜めに通してギュッとしたに詰めるようにして織りあげるのが特徴

絽綴は、篩いをつかって捩ったところに緯糸を通すのだそうです


こちらは、1寸の間に80本の経糸密度で織られた綴帯(通常は40本)は糸が細いので柔らかい!

立体感があるので軽い印象ではないのですが、重量はとても軽かったです。締めやすそう。


工芸会の作家もののように、作家性が強いわけではなく、しかし存在感のあるしっかりした作品が並びます。

広く天井の高い会場でみると、こういった会場で着て栄える装いがわかりやすい。


江戸友禅師の成田華仙さんとカメラ
江戸友禅は京友禅の雅やかさとは違った、藍がつかわれる粋な色づかいが特徴。

つかわれるのは、顔料染料です。そして糊置きはゴム糸目。
意匠も江戸文化を継承するような細やかなものが特徴。

はんなりしているようでいて、藍が効かせ色で効いています。これも江戸友禅ならではなのだそう。


小千谷の糸屋さんによる苧麻の手績みの実演もありました

小千谷縮と越後上布

樋口隆司さんの「蒼穹」
計算し尽くされたデザインだからでしょうか、こういった会場でも栄えますね。樋口先生の作品は、手績みの苧麻ではなく、あえて機械紡績苧麻糸(ラミー)がつかわれています。


※撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の許可を三越よりいただいております。

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