「葵の想い」奉納作品展 が日本橋丸善ギャラリーにて開催中(~3月22日まで)


賀茂別雷神社(上賀茂神社)権禰宜 藤木保誠さまと京絞り寺田の寺田豊先生によるギャラリートークへマイク


葵祭の由来について。飛鳥時代の欽明天皇のとき(「賀茂縁起」によると567年)に風雨がはげしく、五穀が実らなかったので、卜部伊吉若日子に占わせたところ、賀茂の神々の祟りであるとのお告げがあります。そこで4月の吉日に祭礼を行い、馬には鈴をかけ、人は猪頭をかぶって駆競をすると、風雨はおさまり、五穀が実って民は安泰になったということからきています。平安遷都によって賀茂社は山城の国の守護神となり、嵯峨天皇の第八皇女の有智子内親王が810年に賀茂の斎王として奉仕ししてから、葵祭は日本で最古で最大の祭りとなったといわれています。


葵は文語で「あふひ」と書かれ、神さまに会える草と云われています。葵祭には上賀茂神社だけで約1万本の葵を必要としますが、近年の気候や鹿によって京都近郊での葵の入手は難しいものとなりました。現在は福井県鯖江市吉江の方々が発足した「葵の会」により約7000本の葵が奉納されているのだそうです。


上賀茂神社では21年毎に社殿を造り直す式年遷宮があり、2015年(平成27年)10月15日に第42回式年遷宮が行なわれました。遷宮の奉祝行事のひとつとして、葵による草木染めを試み、奉納した染織作家の作品が展示されています。
京絞り寺田の寺田豊、刺繍作家の森康次、染織作家の上原晴子、佐竹孝機業店の佐竹司吉、服部綴工房の服部秀司、染の高孝の高橋孝之の6名。(敬称略)


葵祭でつかった葵で葵染めに取り組まれた寺田豊先生。葵祭でつかった葵で染めるもののはじめはうまくいかなかったのだそう。鯖江では次年度の葵のために初夏に間引きされる葵があるとのことで、その摘み取った葵をつかって成功したとのことでした。とにかくフレッシュなものでないと美しい色はでないのだとか。


媒染別素材別、時間や回数などさまざまに実験されています。

天然の孔雀石をつかった銅媒染は、美しい灰色がかった緑色になります。

写真では再現しにくいのですが、品格のある落ちついた緑色です。

自然がもたらした色ならではの淡い色の中に力があります。

大麻生地を葵で染めたデーターもありました。これも美しい!


京絞り寺田では、式年遷宮で建て替える際の檜皮葺きの檜皮での染めの試みも。

京絞り寺田の寺田豊先生とカメラ


染の高孝の葵染め


服部綴の服部秀司先生、上賀茂神社の権禰宜の藤木保誠さまとカメラ


葵祭には葵文様の帯…。この季節の京都はとても暑く、しかも観覧や参拝はずっと炎天下の外にいることになりますので、単衣のきものに袷の帯まわりで観覧しております。


葵文様の綴の帯、いいなあ~。上賀茂神社の賀茂別雷大神の「別雷」は若い雷(神鳴り)という意味があり、雷を神と考えていた日本人の信仰を伝えていることから、雷文様。私は八咫烏がいいな~と妄想が膨らむ。


佐竹孝機業店の葵文様の袋帯。こんな華やな帯も素敵ですね♪


2012年は下鴨神社の社頭の儀(雨天延期となったので2日間)、2013年は御所で路頭の魏、上賀茂神社で社頭の儀と、どちらも良席で観覧させていただける幸運に恵まれました。まとめリンク↓
葵祭 / 2012年下鴨神社 社頭の儀 & 2013年 京都御所 路頭の儀 上賀茂神社 社頭の儀


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