第62回竺仙展へサーチ

竺仙は天保13年(1842年)に創業された170年の歴史ある老舗。初代が仙之助さんというお名前で、背が低かったことから市川左團次に「ちび仙」とあだ名をつけられたことが屋号である竺仙の由来。浴衣のほとんどが無地か絞りだった頃に、型紙を使って木綿に柄をつける中形といわれる江戸染めの浴衣をつくりだし人気を博します。初代の仙之助は河竹黙阿弥とも親しかった粋人で、黙阿弥の『古代形新染浴衣』は竺仙のために書き下ろし上演されたものだそうです。


竺仙といったら「ゆかた」ですが、注染、長板中形、奥州小紋、絹紅梅、綿紅梅…これらは型紙をつかって染められることから、竺仙は型紙をつかった企画製造を得意とし、江戸小紋や琉球紅型もあつかっています。

竺仙の反物は「竺仙鑑製」と口型に染め抜かれ、証紙が貼られています。この証紙を貼っている糸、反物の耳の糸をみると、巷に流通している自社製品の製造年代がわかるようになっているのだそう。
そして素材へのこだわりが着心地の良さをだし、古くからの顧客に愛されつづけています。

五代目当主の小川文男社長とカメラ
伝統を受け継ぎ、且つ向上心に溢れる方です。
きものエンドユーザーの意見もいち早く取り入れてくださいました。


この日は木村孝先生のトークショーがあることからお客様でいっぱい。

女性の年齢のお話は憚られますが…、95歳を迎えられてこの美しさキラキラ

コーディネートのお話の中で、浴衣の文様は季節感は自由にとらえて良しというお話もありました。
そして今年の竺仙の浴衣には、キティちゃんやウルトラマンといったものも意匠化されていましたが、竺仙のデザインの中でキャラクターに遊んでもらうという試みなのだそうです。

久々にお会いした孝先生は私よりはるかにお元気…σ(^_^;)
孝先生の装いは、新春にふさわしく千總の松原の訪問着に川島織物の色紙文様の袋帯をあわせていらしゃいました。

松林は刺繍、波は糸目糊置きで描かれています。小さく貝も^^


私の紅型の帯は知念紅型研究所の梅桜川文様。知念冬馬先生とカメラ

江戸好みの竺仙の中にあって、なんで?というお話がありましたが、それは型染めだから。
そして、紅型の帯は江戸小紋にもあわせやすいというのも理由なのだそうです。


毎年恒例となっている!?江戸小紋染め師の浅野栄一先生と孝先生の色談義が興味深い…。


今年から奥会津昭和村振興公社のからむし織もありました。
上布の糸となる、苧麻の産地、昭和村。最上級のもの(カゲソ)は、上布の材料として越後上布、小千谷縮布技術保存協会に出荷されますが、最上級のもの以外は、奥会津昭和村振興公社において、からむし織として商品開発されています。 からむし織の帯はゆかたにもあう!

とくに、素材にこだわる男性の半幅帯としてピッタリドキドキ


人がいっぱいでじっくり選べなかったのですが…(そういえば昨年は2日間来たのだった)、長板中形を補充すると決めていました。


こちらの綿絽を綿地の長板中形で染めていただくことにしました。新作なのでアップの画像はなし。
綿絽は長襦袢を着てきもの代わりに着ることが多いです。しかし、綿絽は暑い…。綿絽はフラッシュで撮影するとクッキリ透けるので浴衣として着るには要注意。
旅先などで湯上がりに素肌にサッと纏うにはしっかりした長板中形のほうが好みです。

野口染工場の野口汎先生と野口和彦先生とカメラ


※会場内での撮影及びきものカンタービレ♪への掲載の許可を竺仙よりいただいております。

今年のお土産は松竹梅の風呂敷でした♪


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