きもので松葉杖の旅 那覇へ! 米琉に城間栄順の紅型帯 / ぬぬパナ八重山勉強会の旅 その1
のつづき(^-^)/

「城間びんがた 三代継承展」at 沖縄県立博物館  ※会期は終了しています


「伝統の継承」がテーマの展示会とシンポジウムが開催されました。
広く一般の人に紅型を知ってほしいという強い思いから今回の博物館での無料展覧会に至ったとお聞きしておりますが、会場には見知った呉服関係者の方々が多くみられ、一般の方は少なかったように思います。だからこそ、シンポジウムの中で、私は質問というより、きものエンドユーザーとして意見を述べました。口下手で自分の思いを上手く伝えられず反省しきりなのですが、あらためてここで書かせていただきます。

シンポジウムの中で、「紅型」を広くアピールするために、食べる紅型とか紅型のキャラクター化とかさまざまな考えが打ちだされ、面白いなと思うこともありました。それはそれで良いのですが…、

紅型の良さを広めるには、本物を広くアピールしていただくこと、そして、それ以外(例えばプリントもの)との違いを、わかりやすくして明示して欲しいということなのです。
それは染める生地の素材を含めてです。(なので、染める素材についてからお聞きしました)

紅型のプリントのハンカチはデザインとしてはとっても可愛いですし、私も愛用させていただいております。でも、そういったことではなく、城間びんがたの本物を販売とは関係なく、たくさんの方にみてもらう「城間びんがた 三代継承展」のような機会が全国でもあるといいなと願っております。美術品の世界と同じで、本物をみていたらそうでないものとの違いはわかると思うのですが、その逆は中々難しいと思います。

「城間びんがた三代継承展」はとても興味深く楽しく拝見させていただきました。とくに、宮古上布に染められたもののように、素材の良さも引き立て、両方の良さが生きるものに魅かれています。

城間びんがた第16代城間栄市先生とカメラ
不躾な質問にもお答えくださりありがとうございました。しかしああいう場で発言するのは難しい。しばらくお口チャックだな…と反省いたしました(_ _。)汗


琉球染織の中で唯一の染め、紅型。
琉球王府には貝摺奉行所といわれる部署がありその絵師によって図案が書かれ、城間、知念、沢岻家の紅型三宗家が制作を行なっていたといわれています。※沢岻家は今はありません


明治政府による琉球併合、第二次世界大戦による焦土化によって紅型は衰亡の危機に追い込まれますが、第14代城間栄喜の紅型再生の取り組みによって甦り、さらに本土との交流によって現代の形となっていきます。シーツ地に染められた城間栄喜の紅型。


紅型を現代のきものとして着やすいものにしたのは第15代城間栄順。
きものの衽(おくみ)や身頃、袖にくる柄の配置を考えてつくるようになっていったとのこと。

色もモダン色づかいがみられます


そして第16代城間栄市。
第62回日本伝統工芸展での新人賞受賞作の琉球紅入藍型着物 「むるぶし浜」
一度は途絶えた技法の紅入り藍型紅型を復活させた作品。


琉球王朝文化から生まれた琉球染織の唯一の染めである「紅型」
この本物の力強さと美しさが多くの人に伝わりますように。


※会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は主催者さまより許可をいただいたものです。

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