大江戸新宿「紺屋めぐり」が開催中(~10月17日まで)

東京は染織の大消費地であると共に、染めの一大産地。神田川流域には紺屋といわれた染物屋が多く、分業制で行なわれた技を持つ職人の工房が点在しています。その中でも大都会新宿は染の王国と称されるほどの染色工房の集積地なのです。新宿区染色協議会主催による「大江戸紺屋めぐり」の期間中、その中で10業種、20工房が工房見学を受付けており、さらに体験できるところもあります。※日程は各工房によって違いますので、新宿区染色協議会のサイトを検索してください。

高田馬場にある「染の高孝」へ。
墨流し、手描き友禅、一珍染、江戸更紗など独自の技法で染付けから、蒸し、水元まで一貫工程で行なわれる工房です。期間中は「墨流し」のハンカチ染め体験ができます。
染織作家の高橋孝之先生に墨流しをみせていただきました。

墨流しは水面に墨を落とすと現れる波動のような文様を和紙などに転写する技法のこと。

日本では古くから料紙につかわれ、古今和歌集の中にも墨流しのことが詠まれています。
「春霞 なかしかよひぢ なかりせば 秋くる雁は かへらざらまし」 詠み人 在原滋春
春霞の中に通う道がなければ秋に来る雁が帰ることはないだろう…の意。
「はるかすみ なかしかよいぢ」
に含まれる「すみなかし」が墨流しのことなのだそうです。

平安時代、川に墨を落として生まれる文様を楽しみ紙に写し取る宮廷遊びから生まれたものですが、現代ではきものの染色の技としても生きています。
ちなみに日本発祥といわれる墨流しの技は海外では大理石のマーブル文様からマーブリングといわれています。日本からシルクロードを経て14世紀末にトルコに伝わったのではないかといわれています。

水にはあらかじめ特殊な糊(企業秘密)がはいっているそうで、とろみがあるのだそう。

水面でつくりだされる流動的な文様は一過性のもので、まったく同じものは二度とつくりだすことができません。

布を浸すと…

ほんの一瞬で水面に浮かでいた文様が布に転写されます\(゜□゜)/

月に向かって飛ぶフェニックスのようですね。

 
工房には14mの水槽があり、反物を染めることができるとのことで、チャレンジさせていただきましたビックリマーク
つづきます(^-^)/

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