「伝説の洋画家たち 二科100年展」の内覧会へサーチ
上野公園にある東京都美術館にて開催中(~9月6日まで)


画家の登竜門である文展といわれる文部省美術展覧会(現在の日展)の審査に不満を抱いた
若き気鋭の画家たちは、日本画のように古典的なものと新進的なものをわけた新旧二科制を
文部省に願い出ますが受け入れられず、文展を離れ在野の公募展を立ち上げました。
二科展のはじまりです。1914年(大正3年)に開催され今年は100年のアニバーサリーイヤー。
これを記念しての展覧会です。学芸員の方の説明によると二科会にはインテリが多かったとか。

東郷青児「ピエロ」 1926年 東郷青児記念館 損保ジャパン日本興亜美術館蔵

現在は、絵画部、写真部、デザイン部、彫刻部からなっています。
芸能人やアイドルが入選すると話題になる印象が強いのですが、選りすぐりの今展覧会は
ずっしりと見応えがありました。


有島生馬「鬼」1914年 東京現代美術館蔵

有島武郎の弟の有島生馬は二科展の創設者のひとり。日本にセザンヌを紹介した人です。
鬼と題されていますが角はありません。こんなキャラがでてくる映画があったような…。
浅蜊売りのおじさんがモデルだったと娘さんが証言しているのだそう。鬼にされてはお気の毒ですね;;


東郷青児「パラソルさせる女」1916年 一般財団法人陽山美術館蔵

東郷青児が19歳のときに第三回二科賞を受賞した作品です。
光の演出なのか不思議な色合い。女の人の視線にもドキッとします恋の矢


夏らしい情景

鍋井克之「春の浜辺」 1931年 大阪市立美術館蔵


岸田劉生「初夏の小路」 1917年 下関市立美術館蔵


躍動感ある動物たち

浜田葆光「水辺の鹿」 1932年 奈良県立博物館蔵


坂本繁二郎「放牧三馬」 1932年  石橋財団石橋美術館蔵


洋画で描かれるきもの姿の女性像に注目してみました(-_☆)

木下義謙「横向きの婦人像」 1925年 和歌山県立美術館蔵


湯浅一郎「椅子によれる女」 1916年 群馬県立近代美術館蔵


散逸したものも一堂に集めた、日本洋画界の開拓者たちの軌跡。見応えありです♪

佐伯祐三、安井曾太郎、梅原龍三郎といった好きな画家の作品もありましたが、
それよりも今まであまり気にしていなかった画家の作品のほうが印象深かったです。

※会場内の撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は主催者より許可をいただいております。

夜の東京都美術館のライトアップは美しい~。


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