歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜」の観劇へ(~24日まで)

国立劇場の母体である日本芸術文化振興会によって、伝統文化育成の為のひとつとして、
より多くの世代に楽しんでもらえるよう、毎年6月と7月は「歌舞伎鑑賞教室」が開催されています。
わかりやすい解説付でお手頃価格で楽しめるのです。その中でも、スペシャルな企画があり、
7月18日~24日は親子割引がある「親子で楽しむ歌舞伎教室」
7月10日と17日は夜18時半開演の「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」
この日は、社会人のための歌舞伎鑑賞教室でした♪

歌舞伎鑑賞教室はパンフレット、台本、歌舞伎についての冊子が無料配布されるサービスもあります。


●解説「歌舞伎のみかた」

波打つように上下するセリの廻り舞台にのって紋付袴姿の萬太郎が現れます。
素の廻り舞台とセリの上下というのが、とっても新鮮。

付け打ち(役柄や場面にあわせて拍子木で音をだす演出)と立役と女形の走り方の違い、
下座音楽についての解説では黒御簾からは太鼓が登場し、水音の表し方を解説、
度に「お願いいたします」と丁寧に礼をする萬太郎の所作と滑舌よい声がまた素敵恋の矢

そして演目の「義経千本桜」について。
史実とは違うけれど、歌舞伎の世界では「もし○○だったら…」という物語があり…、
歴史と混乱しないようにわかりやすく、イラストをつかっての解説でした。
源平合戦の紅白の旗が運動会の紅白戦につながってるなど豆知識付き。
イラストの義経が萬太郎に似ている~と思ったら、「では、義経で登場します」と幕引き。

とても良い流れの解説でした。
萬太郎丈の新たな魅力を知りました(-_☆)

●「義経千本桜」から「渡海屋の場」と「大物浦の場」の二幕

兄頼朝から追われ義経が泊まった渡海屋の主人、銀平。登場した時に、アイヌ文様のアットゥシ風の長着を羽織っていたのに目がいき、ああそういえば歌舞伎の衣裳としてでてきたな…改めて。
ちなみに、アットゥシとはオヒョウの樹皮繊維からなる自然布です。
秋には二風谷へアットゥシ織を訪ねます。

海の男というのには、品がありすぎた菊之助ですが、目力強し。
相模五郎演じる亀三郎の魚尽くしの台詞の捨て台詞で「二人目も生まれたのにひでえ…」
というアドリブがあり菊之助がニヤリと笑ったかにも見えました…^^;
真っ白な狩衣に銀の兜という知盛の装束を纏った菊之助はオーラを放ってる!
大物浦の知盛は隈取りがされ血だらけ…。口の中も真っ赤で眼にも紅がさされ凄まじい形相。
子供が見たら泣いちゃいそうですが、菊之助の碇知盛は驚くほど良かった。
若すぎる…?と思っていたけど、若いからこそかもしれない新鮮さもあり、
吉右衛門や仁左衛門にはない鮮烈な印象を受けました。
年を重ね重厚感ますであろう今後も楽しみ♪

そして、銀平の女房のお柳と典の局の梅枝。
お柳から典の局になった梅枝の凛とした気高さが素晴らしい!
十二単を着て危なげなく安徳天皇を抱き上げるのもお若いからか。重い装束に長袴でも後見なしで
颯爽と歩かれるのも、ある面では歌舞伎らしからぬ感があるのですが、素直に感情移入できて
こちらも涙腺が崩壊しました。語りは丁寧でずっしりと響き、素晴らしかった:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

清々しい気持ちで国立劇場を後にしました~♪


この日は「社会人のための歌舞伎教室」というだけでなく、時蔵丈の奥様の友人の方が
主宰してくださった茶話会がありました。


こちらは別記事でご紹介します(^-^)/

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