「しごき」東京染小紋 / 染織文化講座「型紙で小紋を染める」実技講習 のつづきです

このスタイルで蒸し箱に入ると山小屋で休憩中の登山者のようです(・_・;)


●蒸し●
しごき染めが終わり、大鋸屑の中に入っていた反物を取り出して、蒸し箱に入れます。
蒸すことによって染料を定着させるのです。

大鋸屑まみれの反物

木枠の端についている杭に蛇腹に掛けていきます。

4反ずつ蒸し箱に入れます。12反あったので、3回のローテーション。

はじめの回は26分。蒸し箱が暖まってからは25分。温度は98℃。
蒸すことによって糊の中の染料を定着させ発色させます。

堅牢度や発色はここで違いが出るようです。
温度と時間による何とか率というのがあったと聞いたのですが(うろ覚え…)

蒸し加減が重要。

木枠から取り外して水元へ


●水元●
蒸し上がった反物を水の中で糊を落とします。
昔は軟水の川の水で行なわれていました。東京なら神田川と妙正寺川。

この水元は自動でもできるそうですが、手作業でやることの方が多いそうです。

手を入れた瞬間は冷たかったのですが、意外と平気。
糊がべったりと反物に貼り付いている感覚を知りました。

反物を身体巾で左右で持ち、左右へジャバジャバと揺らします。
あまり水中ではせず水面でするのがコツ。
そして左手で持ったままを右手の方へ送り手を離します。
お茶の四方さばきに似ているビックリマーク

伝統的な作業は無駄のない動きになるからだと思いますが、お茶の動きと共通することが
多々あります。芭蕉布の苧引き、しごき染めも墨点前の釜の扱いに似ていた。

さらに洗剤が入った水槽に移して洗います。

さらに移して…、

またさらに移して…、4回水槽を移し替えての作業。
水面で揺らぐ反物は美しい~キラキラ

最後に糊が落ちているか確認しながら屏風畳にします。

脱水機で脱水します。

2階の乾燥部屋で干します。スチーム暖房となっていて乾くのはあっという間でした。

朝香さんらしい色だね~といわれましたが…、羽織にしても派手かも(+_+)


完成です(^-^)/

綸子の反物を裏返して染めたので光沢は控えめのはず。
落款の周りに鶴が多すぎて、落款が埋もれちゃってますね(・_・;)


江戸小紋の工程がとてもよくわかりました。
「素人が1反染めるなんて無理無理!!」といわれていましたし、
私も無理だと思ったのですが、(不器用なので…)
先生方の万全なサポートで何とかなりましたし、何よりも楽しかった♪

もう1回チャレンジしたい~。
でも、先生方はもう二度とごめんだっ!と思っていらっしゃるかも…(-。-;)

講師の五月女利光先生(左)と五月女淳一先生とカメラ


ありがとうございましたm(_ _ )m

染織文化講座の講座記録は近日中に…。←ブログと違って時間がかかるのです。

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