第61回 竺仙展へ目

年初めに行なわれるこの展示会を毎年とっても楽しみにいたしております♪
「明日には日本中に流れちゃうよ…」といわれたのでトップに掲載。


竺仙は天保13年(1842年)に創業された170年の歴史ある老舗。
初代が仙之助さんというお名前で、背が低かったことから市川左團次に「ちび仙」と
あだ名をつけられたことが屋号である竺仙の由来。
浴衣のほとんどが無地か絞りだった頃に、型紙を使って木綿に柄をつける中形と
いわれる江戸染めの浴衣をつくりだし人気を博します。
初代の仙之助は河竹黙阿弥とも親しかった粋人で、黙阿弥の『古代形新染浴衣』は
竺仙のために書き下ろし上演されたものだそうです。

五代目当主の小川文男社長とカメラ 


防染糊で型付けし色糊をヘラでしごくしごき染めで地染めをする「江戸小紋」
根橋秀治先生と浅野栄一先生とカメラ


蛇腹状に重ね折りながら型付けし上から染料を注ぐと同時に下から吸引する「注染」
竺仙の綿コーマ地は、竺仙用に糸からつくって織られいるのだそう。
その糸づくりの現場、是非見せていただきたいです。綿紡績にも興味有り。


長板に生地を張り両面型付けし浸染する両面染めが魅力の「長板中形」


主型と消し型の二枚の型紙をつかって染められる「文久小紋」


紬地のような風合いの綿生地に引き染めの「奥州小紋」


格子状の畝を表面に浮き立たせた薄手の勾配織の「綿紅梅と絹紅梅」


松の煤を呉汁でといて引き染する「松煙染」


そして、知念紅型研究所の「琉球紅型」
知念初子先生と知念冬馬さんとカメラ

江戸好みの中になぜ琉球紅型なのか?
それは竺仙が型紙をつかった染めものを主流とする企画製造販売元だから。
竺仙染ともいわれる、型染めに対してのこだわりからです。



竺仙の反物は「竺仙鑑製」と口型に染め抜かれ、証紙が貼られています。
この証紙を貼っている糸、そして反物の耳の糸をみると、巷に流通している自社製品の
製造年代がわかるようになっているのだそう。小川社長のこだわりのお話が面白かった!


最終日は木村孝先生の講演会がありました。
孝先生のきものは山繭の糸の部分だけ浮き立ってみえる一つ紋付の訪問着

振りからチラッと見える薄~い白緑色の長襦袢が華やかです。
先生の手はシミ一つないのですが、その秘訣は指先をよく揉んでいらっしゃるからとのこと!


木村孝先生と知念初子先生と知念冬馬さんとカメラ

竺仙の展示会は、実は本物の色のプロフェッショナルの集まり。

とても濃いお話をお聞きすることができ、大変勉強になりました!
いつかまとめて書き残したいと思います。


※会場内での撮影及びきものカンタービレ♪への掲載は竺仙さんより許可をいただいたものです。

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