台風の暴風雨の中、 石神井公園ふるさと文化館へ雨
「型紙の美 ~朝田家型紙コレクション~」(~11月16日まで)


宮津藩のお抱え染め師であった朝田家の型紙と染め見本帖や裃などが展示されています。
朝田家は丹後の地で初代朝田利右衛門から三代にわたって紺屋をされた家です。
丹後の茶六別館に行ったとき、こちらが朝田家と教えていただいたのですが、丹後半島の
宮津湾近くの風光明媚なところでした。

朝田家の型紙の特徴は江戸天保年間から明治30年代までつかわれたものだと特定できる
のが大きな特徴です。(丸山先生によると古い型紙で年代出自が確実なのは稀なことだそう)


ガラスに挟んで展示されている型紙は文様がクッキリとわかります。

二枚型の主型と消し型の並列展示なども面白い


朝田家伝来の裃

染め見本帳と染め見本の反物


染織文化講座の講座記録でも書きますが、
型紙は文様全体がどこか繫がっていないと抜けてしまいます。繋がりが少なければ型紙は
不安定になってしまい、糊置きはできません。縞などは糸入れによって文様を安定させますが、
囲うように繫がった丸や白地に散らした点の文様は一枚の型紙で彫ることはできないのです。
そのために、ひとつの文様の7分3分か6分4分に分けて2枚の型紙に彫ります。
これを「二枚型」といいます。消し型が主型を追っかけることから「追掛型」ともいいます。
(加賀小紋の坂口幸一先生の二枚白や竺仙の文久小紋も二枚型です。)

「つり」といわれる文様の繋を残して文様が多く彫られた型紙は「主型」

主型のつりを消す型紙は「消し型」

主型で糊を置き、その上から消し型で糊を重ね置くことで文様が完成します。
紗綾形と貝の中の細かい点だとわかりやすいでしょうか?
下が主型のみで染めたものです。


型紙につかわれる道具の展示
型彫師の増井一平先生のものが展示されていました。

突き彫り用の板には穴があいていています。
この上に地紙を置いて、刃先を上下させ前方に刃を押し出しながら彫り進めます。

型紙地は「生紙」と「二度室入り」したものがあります。
「生紙」は柿渋を塗った和紙を天日乾燥させさらに2年間寝かせたもの
「二度室入り」は柿渋を塗った和紙を室に入れて大鋸屑で燻煙し乾燥させたもの

生紙はしっとりとして厚みがあるけど柔らかい。室入りの紙はコピー用紙に近い感じ?
江戸時代の型紙は突き彫りの技法で彫られるものが主ですが、突き彫りで彫るには
生紙でないと難しとされています。増井一平先生は生紙を6枚重ねて彫られます。
現在は生紙をつくるところがなくなってきているのが現状なのだそうです。


台風の中でかけたのは、丸山伸彦先生の講演会があったのです。
染織文化講座を含めて3日間ほぼ同じテーマでの講演だったのですが、内容が濃すぎて
3日目も先生が話したりないことは終わらないまま…。資料は増えていましたが話が…(-。-;)
丸山先生、染織文化講座は泊まり込みで合宿にしませんか?


そして会場には型彫師の増井一平先生ご夫妻もいらしていました。
なので増井一平「雨音」を着姿をお見せしたかったのです(〃∇〃)
たくさんの方からカメラを向けられて二人の視線があっていません…(・_・;)


【10月5日の装い】東京◇暴風雨(台風の暴風雨、湿度MAX) /最低気温17℃ 最高気温22℃

増井一平「雨音」に龍村美術織物の織なごや帯をコーディネート。

雨の日にショパンのソナタと雨の線が浮きでた「雨音」を纏うというのは、
しっとりとしてとても良いものですドキドキ

…、といいたいところなのですが、
こんな暴風雨では雨音がジャガジャガしていて車移動でも優雅からほど遠い。

帯あげにも雨の線、帯〆は龍工房

暴風雨の中では、撮影する気力が今ひとつ…。なのでこれは別の日のコーデ写真。

傘はHANWAY、雨ぞうりは中野スズミ


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