今年は秋があっという間にやってきたようです落ち葉
重陽の節句も過ぎましたので、基本的には単衣のきものに衣更えですが…、
日常のきもの生活ではまだ自由に着ています。
初秋は台風もやってきますし、このごろはゲリラ豪雨のようなトンデモナイ大雨も降ります。
なのでお彼岸前までは、水に強い綿や麻を着たいところ。
雨コートを着ると暑くて蒸れるのです。
雨は防げても汗だくになってしまったら、かえってお手入れも大変汗
もうしばらくは透け感のない薄物で、中旬からは単衣になると思います。

「化繊のきものはどうですか?」とご質問いただくのですが、
お茶会やお香席、能鑑賞で、大雨の中、屋外を歩くならば、化繊のきものを着る
ことを考えますが、手持ちの化繊のきものは滅多に着ることがありません…。

染織文化講座の中では東レの方による「化学繊維」のお話もありました。
きもの本来の約束事を守ったうえでの着用と洗濯に耐えられる新素材の開発。

知らないことは罪深きかな…、大変勉強になりました。

きものは、ただ肌を覆い隠すものでも寒さを凌ぐものでもない…。
どこに魅力を感じるかどうかは人それぞれだと思います。

【9月8日の装い】東京◇曇りのち雨(湿度71%) / 最低気温20℃ 最高気温24℃
綿紅梅の雪花絞りに犬の描かれた麻の帯
透け感のない綿紅梅の雪花絞りはきものとして葵祭のころからお彼岸まで着ています。

有史以来、人間にとって友ともいえる犬。
きもの好きは圧倒的に猫好きが多いそうで、きものや帯の意匠として
犬はあまりみかけません。猫も好きですが、私は犬好きですわんわん

晴雨兼用の傘は遊中川

古布デコパージュのバッグは松枝忍。

ぞうりは菱屋カレンブロッソの花緒サンダル

犬だけでなく、鹿も好きですバンビ


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この雪花絞りは、有松絞りの張正による板締め絞り。
2013年に工房見学で伺った時に発注したもの。こちら→ 2013年有松絞りを巡る旅

張正の鵜飼良彦先生が先日ご逝去されたことを偶然に知りました。
初夏にお嬢さんの小百合さんとお話しした時には回復に向かっているとのことでしたので
驚くとともに、声にならぬ思いです。

工房見学に伺った時、鵜飼良彦先生のキリッと黙々とお仕事に取り組まれていらっしゃる
そのお姿は弛まぬ職人のオーラーに包まれていていました。
中々お声掛けできなかったのですが、その技を間近でじっくりと見せていただき、板締めの
緊張感、そして水槽で広がる雪花絞りの万華鏡のような美しさは感動的でございました。


八つ畳の雪花絞りは、鵜飼良彦先生しかつくれないとお聞きしております。
大切に着たいと思います。


ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

朝香沙都子拝

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