恋人岬~堂ヶ島洞窟巡りクルーズ~なまこ壁の松崎 / 2014年夏 伊豆の旅 その3 のつづき

2004年OAされたTBSドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地としてつかわれた、松崎町。
画面にいっぱいに広がる海と空、そしてノスタルジックな日本の情景が印象的でした。

OAからは10年の歳月が流れましたが…、
松崎町には今でも朔太郎が自転車で走っていた、あの街並が残っています。


朔太郎の祖父の家、松本写真館。松崎観光協会のお隣です。


明治の商家、中瀬邸。この時計塔もドラマでチラチラと写っていました。

時計塔の中の天井画。なまこ壁にはミスマッチのもののようですが、ノスタルジックつながり
なのでしょうか…、妙に調和しているのが不思議です。

元々は呉服問屋さんだったそうです。

蔵の扉の鏝絵がスゴイ…。


伊豆文邸。こちらも元は呉服商の邸宅。
きものが日本人の生活に根ざしていた頃の呉服業界全体の隆盛が伺えますね。

中には打掛や帯も展示されていました。

土蔵も立派ななまこ壁

松崎の街はゆったりと時が流れているようです。


漆喰芸術の殿堂、長八美術館へサーチ

松崎町にみられる、なまこ壁。
壁面に平瓦を並べて、そのつなぎ目(目地)を漆喰でかまぼこ状に塗り固めたもの。
海の生物のなまこに形状が似ていることから、なまこ壁といわれます。
なまこ壁は盛りあがるほど裕福な家の象徴だったのだそう。

左官職人による匠の技によって生み出された街の芸術です。

江戸中期から明治に活躍した入江長八という左官職人の技を広めようと、この美術館を
創設したのは建築家の石山修武氏。よって職人による職人の美術館といわれています。

1815年(文化12年)に松崎町で生を受けた入江町八。
11歳のときに左官職人の元に弟子入りしますが、20歳になると江戸にでて狩野派に学びます。
日本画を学びながら左官の技を生かし、壁画への漆喰細工を得意とし鏝絵を極め昇華させました。

左官職人がつかう鏝(こて)の形状のバリエーションが豊かなことに驚きます。

長八は左官職人のかたわら鏝絵の創作をしていたそうです。
遠目では普通の絵にみえますが、よってみると立体感があります。

館内にはルーペが設置されていているので、細かなところを見てみると面白い。

布地のドレープ感も立体的に表現。

晒し木綿をつくっている様子の鏝絵。木綿を砧打ちしているようすがわかます。

鏝絵らしいものから、

よく見ると鬣と尻尾だけ鏝絵のもの、

木版にササッと描かれたようなものも。

晩年の作品には狩野派らしい日本画もありました。

※美術館内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は、長八美術館さまより
許可をいただいております。

ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」のエンディングにもつかわれていた印象的な
「あじさいの丘」があるのは、松崎町牛原山町民の森の山頂。
ここからは松崎町が一望に見渡せます目

ドラマのロケの時は紫陽花はプランターの鉢植えでの演出だったそうですが、その後、
松崎町の町民の方によって植えられました。
やはり紫陽花越しに見るのがいいですね:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

細ーい道なので、対向車がこないことを祈りつつ…、ここで本当にあっているの?
車でこのまま突き進んで大丈夫?と不安になり、断念して帰ってしまう方もいたようです。
途中案内も看板もありませんが、諦めずに訪れることをおススメしますビックリマーク

ドラマの中での17年前のシーンでは、松崎プリンスホテルはCG処理により消されてありません。
その時に咲いていたのはピンクの紫陽花。17年後のシーンでは青い紫陽花。
私が訪れた7月の終わりは、紫陽花の名残り。とても感傷深かったです。


あの防波堤にもいってみれば良かったな…。

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