新宿京王百貨店にて開催中「NIPPONの技 現代の匠展」へ(~7月16日まで)
伊賀くみひもの藤岡組紐の藤岡潤全さんとカメラ


私、身長がないこともあって季節を問わず、細めの帯〆が好みなのです。
しかし手組の細めの帯〆は大変に手間がかかり費用対効果がよくないということで、
あまりつくられていないのが現状です…汗
なので、藤岡さんにお願いしてつくっていただきました~♪

46玉の細めの高麗組の帯〆。色は三色の暈かしになっています。
あまり主張しすぎず、でもピッと締まる美しい色が理想。

きもののコーディネート、面積が少ない部分ほど実は大きく印象を左右します。
八掛、帯あげ、帯〆…。ありものでおざなりになりがちですが、ここを妥協してしまうと
すべてのコーディネートが台無しになってしまうこともしばしば(-。-;)
帯〆はとくにコーディネートの最も重要な要となります。画竜点睛の眼。


高麗組の帯〆、猫の足跡の入ったものもあり…、あれ…?
ならば、鳥の足跡の入ったものもできるのかしらと、ご相談。
ヤンバルクイナの染め帯にあわせたい(〃∇〃)♪ 

ところで、鳥の足跡ってどんなだったかしらん…(・_・;)?
ガラス造形作家ご夫妻が検索しつつ書いてくださいました。
ガラス造形作家の狩野智宏さんとガラス作家の小上馬香織さんご夫妻ドキドキ

「こんな感じじゃない…?」
さすが狩野派の末裔の芸術家、即興でも絵心があります(*_*)


藤岡さん、色は帯ができてきてから後日ご相談で、鳥の足跡の帯〆つくってください(^-^)/

「なら、まずは「綾書」をつくって…云々」


んっ?「綾書」? そうか、組紐も図柄を組むのには設計図がいるのね…。
綾書って帯でいうところの紋意匠図みたいなものかしら…?
そういえば、綾書ってどんなもの?みてみたい(-_☆)

「綾書もってきていないですけれど、綾書があればその実演もできます」

綾書つかった実演、みた~い♪
ということで、急遽、藤岡さんの奥さまよりメールで綾書を送っていただき
その場で実演していただくことに。

じゃーん、これが綾書ビックリマーク ←企業秘密なので暈して撮影

暗号みたい…!! ←伊賀だから忍び文字?
方眼紙をつかった紋意匠図のような設計図を想像していたのですが…、
これはまるで、能の謡本のようです\(゜□゜)/ 

「三味線の譜に似ていますね」とfacebookページにコメントくださった方がいらっしゃいました。
そういえば、三味線は太い糸から、1の糸、2の糸、3の糸といい、1の糸に対して本調子、
2上がり、3下がりと奏でます。似てるかも~\(゜□゜)/


携帯に写っている綾書をみながら、高台による実演をしていただきました。

鳥居のような形をしているところに組みあがったものが巻き付けられています。

左右には二段になった枠があり糸の玉が掛けられいています。

レールのようになっていて組み進むごとに送っていきます。


糸を手繰って組んでいるところは、まるで譜面をみながら音楽を奏でているよう~♪ 

この高麗組は両面リバーシブルになるので、2色づかい

上下の糸を竹のヘラで開いて打ち込んでいきます。先日みたアットゥシにも通じるものが…。

糸の玉が錘のようになっていて常に引っ張られている状態。

こんな感じで足跡の柄が組まれました。


組紐は正倉院や法隆寺の宝物にもみられるほどその技は古くからあるもの。
束帯の平緒、鎧縅の縅糸、後に刀の下げ緒としてつかわれるのが主流でした。
帯〆としてつかわれるようになったのは、お太鼓結びをするようになってからのこと。
当初は丸くげの帯〆でしたが、廃刀令の後、刀の下げ緒を帯〆としてつかうようになった
ことから、組紐で帯〆がつくられるようになります。
時代にあった用途でつくられ、受け継がれてきた日本が誇る技がここに今も生きています。

日本全国を実演販売でまわっていらっしゃる藤岡さん。
きものサローネの時は、狭いブースで台と共にいらしたので蚕の蔟のようでした。
百貨店の催事会場をフラフラしていると度々お会いするのですが…、いつもお客様の
お相手にお忙しそうなので、こういった実演を見せていただいたのははじめてです。

綾書を見ながらの実演、ありがとうございました~m(_ _ )m



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