市川右近さんの歌舞伎座楽屋訪問 / 沢瀉に鶴の役者紋と演目にちなんだ装い  のつづき(^-^)/

前から3列目の花道横という、役者さんの汗が飛び散ってきそうな良い席での鑑賞。


花道と舞台のコーナー近くのスッポン辺りでは、役者が立ち止まって見栄をきるので、
衣裳の素材や質感までも肉眼でクッキリと見ることができて嬉しい! 
この席最高でした~ヾ(@°▽°@)ノありがとうございます!

玉三郎演じるお辰が、お任せくださいませ!と胸をポンっと叩いた時には、
おしろいが舞ってました(^_^;)


休憩から戻ってくると席にはビニールシートが…。
そういえば、夏祭浪速鑑は夏に清涼感をだすため、本物の水と泥水がつかわれていて、
水飛沫が客席まで飛んでくるとお聞きしたことがあったので、雨コートも出してスタンバイ。
下半身が泥だらけの海老蔵演じる団七が花道横にやってくるのですが、観客席までは
飛んできませんでした。白地のきものだったのでちょっとホッ(-。-;)
それよりも立ち回りの刀が煌めいて、すぐ近くの空を切るところは迫力がありドキッとします。


●正札附根元草摺

前記事でも触れましたが、「曽我物」として歌舞伎では定番の演目。
日本三大仇討ち話のひとつ、源頼朝の富士の巻狩りの中で起こった曽我兄弟による
父の仇である工藤祐経を討った事件が元となっています。
「壽曽我対面」と同様、弟の曽我五郎の装束の文様は蝶。小袖は紅白の市松。
手には逆沢瀉の鎧を抱え持っています。


曽我五郎と小林朝比奈の力比べが題材となっている演目ですが、女形が相手役
のときは朝比奈の妹である舞鶴となっています。
朝比奈と舞鶴は木曾義仲と巴御前の子という設定、引き比べの相手役として相応しいのでしょう。
舞鶴の装束は、鶴丸紋と向鶴。なぜ舞鶴かというと、朝比奈の紋が鶴丸紋だから。


●夏祭浪速鑑(通し狂言)

たぶん、はじめての鑑賞だったように思います。通しだったので物語がよくわかり、心情も
すーっと入ってきて、任侠もの今ひとつ苦手の私でも楽しめました♪

ザックリいうと、団七とお梶、徳兵衛とお辰が、磯之丞と琴浦を守るために奔走、その中で、
団七と徳兵衛は義兄弟の契りをかわし、お辰は自分の顔に傷をつけてまで侠気をみせ、
団七は心ならずも義理の父を殺してしまうことになり…といった世話物。

お梶が徳兵衛に褒美として渡したきもの。後に団七と義兄弟の契りで肩袖を交わす長着は、
間近でみると琉球絣柄でした。鎖に燕(トゥイグワー)の柄。


囚人として舞台に登場したときは、むっさいおじさんだった団七は、
首抜きの浴衣に着替えて颯爽と登場します。このシーンは男前の役者でないとできない!


海老蔵…、ホント男前です。首抜きの浴衣ががよく似合う~。
上前には成田屋とはいっていました。


団七と徳兵衛が色違いできていた、弁慶格子の浴衣。
江戸期のきもの関連を知るための必読本「守貞漫稿」では豆腐縞と表現されています。
団七は柿色、徳兵衛は藍色。
団七の裄の長さが短くなっているのは、刺青をみせるためなのだそう。
彫り物は成田屋の紋の牡丹にお不動さま。


ご一緒してくださったジャパンタイムズ紙に書かれている方から教えていただきました。
団七の刺青は浮世絵でも描かれ、その後刺青が流行したのだそうです。

※画像はフライヤーより転載させていただきました。

弁慶格子のきものと揃いの扇子が素敵だったな~(〃∇〃)ドキドキ


歌舞伎の衣裳について、松竹衣裳の海老沢専務の講義をお聞きしたのですが、
これがとっても勉強になりました。
以後、歌舞伎の鑑賞の仕方が変わりそう。肩脱ぎのシーンはガン見してしまいます目

歌舞伎鑑賞の後は、パレスホテルのティーラウンジにてアフタヌーンティーコーヒー
パレスホテル周辺、皇居平川門辺りまでが車両通行止めになっていて、中々辿り着けず…。
日曜日の都内の道路は違った様相をみせて複雑なのですね。ビックリしました。
和洋折衷、お食事と甘味もほどよくあり美味しかったですドキドキ

とっても優雅な日を過ごさせていただきました。
ありがとうございましたm(_ _ )m


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