入学式シーズンですね。
桜の花びらが舞う中で新しい人生がはじまるというのは良いものです桜


入学式に着るきものについて、ご相談をいただくことがあるのですが、当世の入学式事情
というものは、地域や学校によって違うものでしょうし、正直よくわかりません…(^_^;)
周囲から浮きたくないというのであれば、お洋服のほうが無難なのかもしれませんが、
人生の門出は晴れ着で祝いたいもの。セミフォーマルのきものを着る良い機会でもあります。
吉祥文様の付けさげ、色無地や江戸小紋に唐織や綴の帯などで装ったら素敵だと思います。
準礼装なので、一つ紋付で。
文様は、成長や健康、栄達を願う、竹、桐、橘、瓢箪、薬玉、七宝などがおススメです。

一昔前は一つ紋付の黒の絵羽織を着ることが大流行しました。
このスタイル、私は好きですが今の式典では着られることはほぼありません。
この黒の絵羽織は十日町が発祥の地です。


4月8日はお釈迦さまの誕生を祝う潅仏会。花祭りです。
花祭りは花で飾った花御堂に潅仏桶を置きお釈迦さまの像をお供えして、
柄杓で甘茶をかけお祝いする行事。
お釈迦さまの誕生の時に龍が天から飛来して香湯を灌いだという故事からきています。

4月8日に入学式が多いのは、花祭りにあわせたもの。
日本が仏教国である由縁といわれています。
語呂合わせで4(し)8(はつ)=出発の日からともいわれますが、これは味の素が
新年度の新生活にあわせて朝食の重要性を唱えたPRによるもの。宣伝力侮れません!


ところで、国際化を進めるということで、東京大学が打ちだしていた秋入学。
当面先送りになったので、ホッとしています(-。-;)
大学創設期から1921年(大正10年)まで、日本も欧米諸国と同じ秋入学でしたが、
日本の会計年度にあわせての春入学となりました。
何より草木が芽吹く日本の春は人生の出発に相応しい。日本の風土に調和しています。

9月が入学式となると、きものの着用時期の基本ルールとしては単衣となります。
地球温暖化で残暑厳しい9月に単衣のきものでは汗だくになること間違い無し…。
これはますます、きもの離れが進んでしまうと懸念いたしておりました。

世界に右倣えするよりも、日本の気候風土というものを考えて欲しい。
国際社会にでて必要となるのは、自国の文化を知りそれを伝えられることなのですから…。


時は二度と取り戻せません。
人生の節目はきものと共にあったと、後に振り返ることができたら、幸せですね。

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