銀座きものギャラリー泰三さんへ
高橋泰三さんと千切屋治兵衛の西村紀美さんとカメラ


千切屋治兵衛は千切屋一門といって奈良時代は春日大社の宮大工をしていたといわれています。
千總と祖を同じくする、西村御三家のひとつです。
創業は1555年(弘治元年)川中島の合戦の年に法衣業をはじめたという老舗中の老舗。
「あれは欲しかった~」と、今でも想いを引きずる訪問着が、千切屋治兵衛のものだったので、
じつは昔から憧れております:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
西村紀美さんがお召しの色無地に羽織も素敵ドキドキ。羽織は雪輪文様でした。
お会いできて嬉しかったです。


銀座きものギャラリー泰三は皇室の方々のきものもつくられている染の聚楽のアンテナショップ。
京都ゑり善のお嬢さまが葵祭の斎王代に選ばれた時の記者会見で着ていらした振袖が
あまりにも見事で、染の聚楽のものだとお聞きしていたこともあり、とても興味がありました。

桶染めに刺繍そして金彩加工の豪華な振袖。
桶染めは絞りによる染め分けのひとつであり大変な技が必要とされます。

こういった金彩加工のものは他ではみることができません。

こちらの刺繍は、蘇州刺繍。日本刺繍は糸を縒ってつかいますが、蘇州刺繍の特徴は平糸
で写実的に表現するのが特徴。通常1本の刺繍糸というのは極細の糸が12本で構成され
ているものだそうですが、泰三のものはそのうちの細い糸3本で縫わせることによって輝き
のある繊細で精緻なものができるのだそう。そこに縁を金で囲うことによって立体感をだしています。

友禅染めが出現する前の小袖の趣があるといったら良いのでしょうか。
とにかく重厚感たっぷりです。
菅縫いがビッシリとされているのでとても固そうにみえますが、意外と柔らかかったです。
しかし重そう!白生地も良いものでないと無理。


こういった手の込んだ技は、どんなに真似をしようとしても、できないでしょう。

泰三さんにはきものサローネでお声がけいただき、ちょっとビックリしました(^_^;)
きもの業界は不可思議なことも多く、その実情を知りたいとは常々思っていたので、
ご自身のブログでも警鐘を鳴らされている泰三さんから直接お話をお聞きできるのは
とても良い機会でした。勉強になりました!
きもの業界の特殊な流通や裏話、多方面からお聞きしなければ、わからないものですね。
これからもたくさんご教示いただけるとありがたいです。

【1月18日の装い】東京◇晴れ / 最低気温3℃ 最高気温9℃

モダン柄の80亀甲の藍結城紬に椿の染め帯をコーディネート


無地の縮緬の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房

藍色地に黒の帯では同化してしまいますね…(゚_゚i)

バッグは松枝忍

ぞうりは菱屋カレンブロッソのお誂え


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