藍染め作家の原田弘子先生による藍染めのお話
きもの カンタービレ♪

世界最古の染料といわれる藍がなぜジャパンブルーといわれる日本の色となったのか。
1875年(明治8年)に来日したイギリスの化学者ロバート・ウィリアム・アトキンソンはが、
藍染めの色味を「ジャパンブルー」と呼んで賞賛したことにはじまりまるというお話から。
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藍染めは浸染の回数で決まります。
左から「上紺」「褐色」「紺色」「納戸色」「藍色」「縹色」「浅葱色」「天色」「瓶覗き」
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世界中に点在する絞りの技法が、なぜ有松がメッカといわれるようになったのか。
京都と東京の中間点にあり、尾張徳川藩の保護を受けたから。
有松には200以上もの絞りの技法があり、ひとりが一種類の技法をやっていて、代々引き継いで
いくものだった。今では受け継ぐ人が減ってしまいどんどん無くなっているのが現実。
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藍から蒅(すくも)へ。
今国内で藍をつくっているのは徳島の4件(そこから枝分かれしたところもあるそう)
化学染料の入っていない天然本藍甕をもっているところは10件に満たないのだそう。
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石灰からつくられた染料のインディゴピュアの化学構造式は天然藍とほぼ同じ。
短時間でつくれるように苛性ソーダーやハイドロコンクをつかって藍立てされています。
世の中で流通している本藍染めといわれるもの、藍の生産量の少なさから考えると、
ほとんどが本藍ではないとのこと。
藍は色落ちするといいますが、本藍とインディゴピュアでは色の落ち方が違う。
藍は顔料に似ていて水に溶けない性質ですが、本藍は染めたものを寝かせるとマーブル状
に染料が入っていき、時間が経つと光を吸収して美しい色になる。
水に入れた時、本藍は黄色い色がでてくる。インディゴピュアは水色になる。
そしてインディゴピュアの色落ちは止まらないのだそう。

そして、藍には生地の強度を高める、虫除け、抗菌作用、アトピーにも効くなど、数々の
効能があるのだそう。
昔の人はそれを自然から学びとって実用化していたのだからすごいです。

藍染めの色は浸染の回数で決まります。
左から「上紺」「褐色」「紺色」「納戸色」「藍色」「縹色」「浅葱色」「天色」「瓶覗き」
一番薄い瓶覗きは、藍が枯れてしまう最後の色ともいいます。
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天然藍で染められた原田先生の作品
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とても美しい!
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藍染めすることによって自然と染まってしまったという藍色の爪でいらっしゃいましたが、
ご自身で染められたストールと相まってとても素敵でいらっしゃいました。
毎朝夕、生き物である藍の具合を確認し、五感すべてでチェックし、変化を見逃さない。
本気で藍と向き合った生活をされている方のお話は、本物を見極めるポイントがわかりやすい
ものでした。
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