日本の藍 ジャパンブルー ~阿波藍600年の歩み「江戸•明治の古布展」~ へサーチ
横浜そごう百貨店美術画廊にて開催中(~8月12日まで)

阿波藍を守りつづけてきた徳島の佐藤家19代目の藍師である佐藤昭人先生とカメラ
きもの カンタービレ♪

佐藤先生がお召しになっていらっしゃるジャケットは、藍染めの反物でつくられたもの。
必ずシャツやジャケットに仕立てて着心地を試すために自分でも着ているそうです。
何とネットに入れて洗濯機で洗っていらっしゃるのだとか(ノ゚ο゚)ノ
「本物の藍は色落ちしない。1回目は水が藍色に染まるけれども、布は引き上げれば問題ない。
藍は水には溶けないのだから…。」とのこと。
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阿波藍は江戸時代以前より葉藍による藍染が行なわれていたと伝えられています。
蜂須賀家政がお国入りし前領地の播磨より播磨藍を移植し、藍の栽培を奨励、保護をした
ことにより、「阿波の藍か藍の阿波か」とその繁栄ぶりが謳われるほどに。
佐藤家は藍をつくりつづけ守りつづけてきた家で、19代目の佐藤昭人先生は、厚生労働省
が認定する卓越技術者「現代の名工」のひとりです。
きもの カンタービレ♪

お話は藍つくりから藍の効能についてφ(.. )

先祖代々つづく藍染めの家に生まれて、10歳のころから自然に藍づくりの世界に
入り、お爺さまである17代佐藤平助氏から教わり、燕がやってくる2月末から種を蒔いて、
八十八夜の頃に畑に植え替え、タチアオイの花が一番上まで咲くころに刈入れというように、
自然にあわせて阿波藍をつくってきたのだそうです。藍は一度刈った後さらにひと月後に
二番刈りが行なわれます。

現在、日本国内で染められる藍染めの染料は99%以上がインディゴ(合成化学染料)を
つかって染められたものとなってしまい、藍の「蒅(すくも)」をつかった「天然灰汁発酵建」
で染められる藍染めは1%程度なのだそうです。
※蒅(すくも)とは、白花小上粉の藍の葉に水を打って発酵させ腐葉土状にしたもの。

白花小上粉の藍の種、はじめて見ました目
きもの カンタービレ♪

第二次世界大戦中は日本の国策によって藍つくりが禁止されてしまいます。
化学染料の普及と田畑の食料増産のためだったのだそうです。
阿波藍のもととなる蓼藍は1年草のため、蓼藍の栽培が途絶えると600年を超える阿波藍の
歴史が終ることになる!と、17代目の佐藤平助氏は人里離れたところでひっそりとつくり
つづけ、その努力と信念が、美しいジャパンブルーを今に継承しているのだそうです。
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藍には、消臭、虫除け、蛇よけ、抗菌効果があるのだそう。そして燃えないという性質から
江戸時代は火消し装束としてつかわれ、蒸気機関車の乗務員の制服は藍染めの詰め襟
だったのだそうひらめき電球蒸気機関車がなくなったことによって、藍の効能が活かされる大きな
ものが無くなったけれど、天然染料の藍の良さは本物。本物はやはり良いビックリマークというお話でした。
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大河ドラマ「八重の桜」のオープニングでつかわれた、藍の暖簾も展示されていました
きもの カンタービレ♪
こちらは、日本藍染め文化協会が復元し会津若松市に寄贈した、会津松平家の大名熨斗目と裃。
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本物の藍の美しさがわかる「江戸•明治期の古布展」(~8月12日まで)
深い藍色は今ではあまり見られないもの。久留米絣の布団地や火消し装束など、貴重な
コレクションは時を経ても色あせず深い色を今に残しています。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

会場では藍染めの実演コーナーもありました。
ハンカチを二つ折りしさらに三つ折りに屏風畳み。その後三角に織っていきます。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
「蒅(すくも)」をつかった「天然灰汁発酵建」の藍甕につけて染めます。
甕にはコバルト色の泡「藍の華」。室温26℃ぐらいに保って3ヶ月ぐらい持つとのこと。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
二回ほど浸け染めしました。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
藍は染まったときは緑がかった茶色のような色。酸素に触れると藍色になります。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
広げるとこんな文様に。藍に浸ける時間によって色もさまざま。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
しっかりと二度浸けて染めた色は水浅葱色でしょうか。
藍白→甕覗→水浅葱→浅葱といった藍の色の濃淡、色名も美しい。
きもの カンタービレ♪

私が着ているのは琉球壁上布。藍ではあっても蓼科の藍ではなくキツネノマゴ科の琉球藍で
染められているので、藍といっても違うものです。
その違いのお話も聞くことができ、大変有意義で勉強になりましたビックリマーク
昨日は超夏日で麻にしようか迷ったのですが、藍つながりのお話がはずんだので、
このコーディネートでよかった(〃∇〃)合格コーディネート覚書は後ほどあげます。

※会場内の撮影ときものカンタービレ♪への掲載を日本藍染文化協会さまよりいただいております。


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