軽くて柔らかい織りの最高峰と謳われる結城紬。
過去記事で自分のコーディネートを確認すると、冬の旅行では結城紬を着ていることが
ほとんど。暖かく1日中着ていても楽なので自然とそうなってしまっていたようです。
ですが意外にも結城の地を訪れたことはなく…、この度はじめていってまいりました(^-^)/
きもの カンタービレ♪
1907年(明治40年)創業の奥順さん
手織りの原点である結城紬を伝承していく想いから、結城紬のミュージアム的な
複合施設をつくられ一般に公開されています。
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土蔵造りの建物は手織里という資料館目 
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結城紬の歴史は2000年前からといわれ、崇神天皇の代に、多屋命(おおやのみこと)
が三野(美濃)の国から久慈(常陸太田市)に移り住み、機殿で織ったという長幡部絁
(ながはたべのあしぎぬ)がはじまりとされています。※諸説あり
正倉院には献上された常陸絁が残っています。その後、鎌倉時代にこの地を治めた
結城氏に由来し結城紬となったようです。

展示には「穀の木の生ずるところゆえ結城の都」となったという記述がある『古語拾遺』や
室町期の諸国名産のひとつとして紹介されている『庭訓往来』他、結城の歴史の史料
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江戸時代の紬問屋の保護政策の際に紬問屋に贈られた刀と煙管、絣の見本帳、
結城紬つくりに欠かせない道具類など、結城紬の史料が…。
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結城紬の特徴は、軽い(普通の絹織物は700g~800g、結城紬は550g~650g)
とても丈夫(染色堅牢度も高くシワにもなりにくい)。そして暖かい。
それらの秘密は糸にあるビックリマーク本場結城紬の糸は、真綿から手紡ぎした撚りのない糸です。
糸は撚ることによって空気を排出し固くなりますが、結城紬の糸は糸に撚りがないので空気を
たくさん含んでおり、真綿のしなやかで身体に沿うような着心地が生まれます。

手織里で説明くださった方からのお話をまとめましたφ(.. )  
※参考資料 美しいキモノvol.227付録 結城紬大辞典

【結城紬の重要無形文化財の指定条件】 
①使用する糸はすべて真綿より手つむぎしたものとし強撚糸を使用しないこと
②絣模様を付ける場合は手くびりによること
③地機で織ること

真綿掛け◇繭から真綿をつくります。
この真綿ビヨーンと伸びます。ちなみに真綿布団は繭を手びきで引き延ばしてつくったもの。
真綿1枚に繭5~6個、きもの1反分には400枚の真綿が必要となります。
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糸とり◇真綿から糸をつむぎます
竹筒の杭にきびがらをつけ台座に立てた「つくし」に絡ませ細く引き延ばしていきます。
細く引き出した糸を「オボケ」といわれる丸い桶にためます。100gの糸を真綿にするのに
(これを1ボッチという)7日~10日。きもの1反に必要な7ボッチの糸をとるのに約2ヶ月。
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絣括り◇図案作成 ○地糸(経糸•緯糸)→糸染め
○絣糸(経糸)→枠巻き→墨付け→絣括り○絣糸(緯糸)→墨付け→絣括り
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染め◇絣糸のたたき染め 括り終わった絣糸を染液に入れて煮染めし叩き棒の先に掛けて
振り上げては板に打ち付け括った糸の際まで色を染めます
本糊つけ◇絣糸の括った部分をほどいて糸に糊をつけます。
結城紬の手つむぎ糸は非常に繊細なので、毛羽立ちやすいため、強い糊をつけて機に掛け
るのが特徴です。糊には布海苔でなく小麦粉が入ったものがつかわれます。
お仕立て前の湯通しや洗い張りは結城でやっていただいたほうが良いそうです。
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織り◇地機で織ります。絣をあわせて織るのには熟練された技が必要。1反織るのに1ヶ月
以上はかかるのだそうです。
経糸は腰につけた紐とつながっていて、緯糸を打ち込む時にグッと腰を引くのだそう。
地機ダイエットとかあったら、流行りそうひらめき電球
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緯糸の杼が大きいのが特徴。経糸の幅よりも大きいので腕力がついて二の腕が太くなるそうです。
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2階には結城紬が展示されています。
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今は結城といったら、重要無形文化財の指定をうけた撚りのない手つむぎ糸をつかった平織
のものが主流ですが、かつては緯糸に強撚糸をつかった結城縮が隆盛を極めていました。
1962年(昭和37年)には生産反数の9割りを結城縮が占めていたのだそうです。
しかし、1956年(昭和31年)に結城紬の平織のみが重要無形文化財の指定をうけると
縮織は急速に衰退してしまい、1975年(昭和50年)には生産単数の1%以下にまで、落ち
でしまったのだそうです(=◇=;)
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結城縮の身体に沿うシャリ感を好む私としては、今はほとんど生産されていないというのが
本当に残念。重要無形文化財かどうかが重要な方もいらっしゃるのか、そちら(平織)の
ほうが売れゆきが良く、売れないほう(縮織)はつくられなくなっていくという…。
う~ん、生産量が増えないことには価格は上がるばかりで、手が届かないです(ノ_-。)
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この後、陳列館にて沢山の結城紬をみせていただきました目
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無地や縞よりも絣がふんだんに入ったものが好みの私には宝の山~キラキラ
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江戸時代の商家の蔵を改装されたカフェもあります
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いただいたのは、桑茶と桑ゼリー
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肝心なことをお聴きしそびれたこともあって…、近々再びお伺いすることにいたしました。
思っていたより近かった結城。ある意味、目の毒…というか危険です(・_・;)汗
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なので、レポのつづきはまた後日につづきます(^-^)/