日本橋三越で開催中の第53回 東日本伝統工芸展へサーチ(~4月22日)

関東、甲信越、東北、北海道に在住の作家を対象に毎年開催されている公募展。
7部門で厳しい鑑審査を経て選ばれた約350点が一堂に展覧されています。
染織の分野では伝統的な技法を駆使しし尚且つ、現代の街に馴染むものが選ばれています。
三越で開催される、伝統工芸展は最高峰の作品をじっくりとみることが絶好の機会。
毎回とても楽しみにしております♪

この日は初日、そして出品者の方々はレセプションが予定されていたこともあり、
会場には作家の先生方がたくさんいらっしゃっていました目
布フェチの私は、こんな美しいものを生みだす人はどんな人なのかと工芸会に出展される
作家の先生方に興味津々なのです。

そんな私に「きものカンタービレ♪」をみていると、お声がけくださる先生方が何人かいらして、
とても光栄に嬉しく思っています(〃∇〃)音譜 ←緊張しますが励みになります!
会場にはいらっしゃいませんでしたが、小千谷の樋口先生からご案内状を戴き、会場では
東京友禅の生駒先生がご案内くださり、佐賀錦の小形先生は主催側に撮影と掲載の交渉を
してくださいました。本当にありがとうございましたm(_ _ )m

会場でお声がけくださった、型絵染作家の遠藤あけみ先生とろうけつ染の佐藤泰子先生とカメラ
お二人ともご自分の作品の帯をしていらっしゃいます。帯が映える装いで素敵でしたドキドキ
きもの カンタービレ♪

「奨励賞」を受賞された稲木久先生と。友禅訪問着「露草文」の前にてカメラ
きもの カンタービレ♪
明るく瑞々しい印象の訪問着でした。独自のタタキ糊の技法が使われているそうですが、
技法が浮き立った感じがせず、自然に意匠を引き立たせている気がしました。
露草の色の濃淡、胡粉で彩色された流れるようなまだらな線、美しくてウットリドキドキ
きもの カンタービレ♪

黄八丈の山下芙美子先生とカメラ 昨年の秋、山下誉先生の講義を聴いて芙美子先生にも
お会いしたいな~っと思っていたので嬉しかったです。
会場にいらっしゃった時に、あっ!っと思って思わず後でお話を聞いていました(゚ー゚;
左側と右側で染め分けられたかのように色が違うのは、媒染による違いなのだそうです!
きもの カンタービレ♪

友人のお母様の友人でもある村上葉子先生と 紬織物「青荒」の前にてカメラ
幾何学的な方眼紙の升目のように見えたのですが、緯絣のきもの。
先生は糸染めもご自分でされるそうですが、黄色を染めた糸に藍をかけてだした色だと
おっしゃっていました。作品作りで一番大変なのは絣括りなのだそう。
きもの カンタービレ♪

近藤好江先生と紬織着物「冬風景」
ティンギと五倍子の二色しかつかっていないとおっしゃっていて、色の濃淡で随分と赤っぽく
なったりバリエーションがあるんだなあ~っと興味深くお聞きしました。
ティンギが気になって調べたら、マングローブの一種で樹皮が染料としてつかわれるようです。
きもの カンタービレ♪

生駒暉夫先生と、友禅染帯「凛」の前にてカメラ
生駒先生らしい絵画的な作品でした。第59回日本伝統工芸展に出展されていた「光彩」
は葉にタタキ糊の技法がつかわれていましたが、こちらはタイトル通り、凛とした竹。
葉の白い部分が鋭角に描かれてスパッとした印象です。よく見ると竹の幹に細かな技法が
凝らされていています。工芸展の作品は技術の見せ場!なのだそう。緑色の濃淡が美しい~キラキラ
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

※会場内で撮らせていただいた写真は作家の先生の許可のもと、ご一緒に撮影させて
いただいたものです。生地アップはトリミングによる拡大です。

おぼろ型染めの篠原優子先生には、おぼろ型について説明していただきました。
鎌倉芳太郎のお弟子さんの娘さんにあたられる方だそうで、紅型のおぼろ型を継承して
いらっしゃるのだそうです。
作品のおぼろ型染着物「野花爽風」は、花の形を先に型付けして色挿しし糊伏せ、その後
縞の型をおいているのだそうです。型染めでもとても柔らかな印象。
シックな色目だったのですが、美しい彩色で眼を引きました。

佐々木苑子先生もいらしていて、ご自身の作品の素敵なきものと帯でいらっしゃいました。
ご挨拶させていただいたのですが、お写真がないのが残念汗

さらに今回、特に気になった作品から抜粋…。

松浦弘美 菱絽織生絹着物「今朝の秋」 
夏の透け感がある織物なのですが、三升のような菱になっていました。
美しい薄黄色の地色でこれは纏ってみたいな~っと妄想。

大高美由紀 紬織絣着物「春のしらべ」  根津美術館長賞受賞作品
淡墨桜で染められた桜色の濃淡の絣。優しい春らしい色で絣がしっかりしていて…
こちらも着てみたい私好みの逸品でした恋の矢

岩井香楠子 型絵染着物「森の小径」
緑色と臙脂がかった砂色、深緑色で機械的な文様が斬新でインパクト大でした!
岩井先生を会場でお見かけしたのですが、お声がけしそびれてしまって残念。

素晴らしいモノばかりで目の保養目
会場に3時間ぐらいいたでしょうか(゚ー゚;
初日だったこともあり、とてもたくさんの方がいらしていました。
伝統工芸展は何時間見ていても呉服屋さんと違って店員さんからのススメもありませんし、
じっくりゆっくり好きなだけ肉眼で鑑賞することができます。至福の時間ですね:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

【4月17日の装い】
薔薇模様の本塩沢にれえすの花のヒヨコと春の草の刺繍帯をコーディネート
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
若草色のちりめんの帯あげは桜が散って若葉の頃つかうのが好きですドキドキ
帯〆は伊藤組紐のもの。玉文様がついていますが刺繍の帯にはうるさいので実は裏返して
つかっています。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
バッグはジャマン•ピュエッシュ、ぞうりは菱屋カレンブロッソのお誂え
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

記事が溜まっていて、久々のリアルタイムコーデ覚書でした。
丹後レポつづけます! 京都レポ、その他も追々。


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