年越しの音楽の定番といえば第九ですが、装束に興味をもって嵌った雅楽の年末演奏会も
ここ数年恒例になりつつあります。四谷区民ホールへ音譜
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
伶楽舎は雅楽の合奏研究を目的として、雅楽の古典楽曲だけでなく、廃絶曲の復曲や
正倉院楽器の復元演奏、現代作品の演奏にも力を入れ、雅楽の理解と普及のために
国内外で幅広い活動を展開している雅楽演奏グループ。
今年の大河ドラマ「平清盛」の雅楽演奏も担当していました。
雅楽器の旋律の雅やかさと演奏者の美しい装束は古の世界に誘ってくれます。
きもの カンタービレ♪
伶楽舎の演奏会はテーマが独創的で面白いのですビックリマーク

今回は、平安時代の管弦の名手といわれた源博雅がテーマ。
源博雅は、通称博雅の三位(はくがのさんみ)といわれた醍醐天皇の孫にあたる人物。
近年人気の夢枕獏の小説「陰陽師」で安倍晴明の相棒として登場しています。

源博雅は管弦に秀でていたことにより、音楽関連のさまざまなエピソードがあるのですが、
古典文学研究家の石田百合子先生のお話をお聞きし、伶楽舎による音の再現という
趣向の演奏会でした音譜

◎「長慶子(ちょうげいし)」 博雅の作曲による管弦 太食調音取(たいしきちょうのえとり)

◎「壱越調調子(いちこくちょうのちょうし)」 博雅を襲いにきた勇猛な賊たちが、博雅の
奏でる大篳篥の音色を聞いて涙を流し思いとどまったという、その音色を再現。

◎「啄木(たくぼく)」 琵琶の独奏曲。啄木とは鳥の啄木鳥を模して撥で叩く弦をなぞる
などの不思議な奏法が散りばめられた秘曲。博雅はこの秘曲が聞きたくて三年間逢坂
の蝉丸の元へと通ったという逸話から。

◎「朱雀門梁震(すざくもんりょうしん)」
博雅が月の明るい夜に朱雀門にて笛を吹いていると吹き返すものがあり、後に朱雀門の鬼
とわかった、という逸話から。平等院に残る葉二(はふたつ)の笛ですね。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/archive/9/92/20101124162555%21Suzakumon_no_tsuki.jpg
※月岡芳年「朱雀門の月」 ウィキメディア・コモンズより

◎「皇じょう 破、急」 管弦 平調音取(ひょうじょうのねとり)  世間の楽の調べ

◎「博雅の生まれた日に…」 楽聖といわれた博雅が生まれたときには天上の音楽が
鳴り響いていたという逸話から、増本伎共子先生が作曲された天上の楽♪
伶楽舎の音楽監督である芝祐靖先生が龍笛のソロパートを演奏されました。

源博雅についてあまり知らなかったのですが、この場面ではこの旋律という再現
を耳にしてあらためて「今昔物語」などの説話集を読んでみたくなりました。
五感で時代を感じるのはとっても楽しい:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

雅楽の人気は今ひとつで、勿体ない~と思っていたのですが、大河ドラマ「平清盛」効果と
微力ながらも「きものカンタービレ♪」の影響もあったそうで…、会場は満員御礼ヽ(゚◇゚ )ノ
四谷の空に天上の音楽が鳴り響き、良い感じで年の締めくくりとなる夜となりました♪
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

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