有職文化研究所主催による「雑事抄を中心に宮廷装束を見る」勉強会へメモ

『装束雑事抄』とは、衣紋道の家である高倉家に伝わる装束に関するアレコレを
記した古文書のことです。
きもの カンタービレ♪
装束に興味をもって調べだすと様々な用語がでてきます。
生絹(すずし)、練絹(ねりぎぬ)、練緯(ねりぬき)、志々羅(しじら)、などなど…。
衣裳には衣更えがあり、身分によって定められた色があり、TPOがあります。

きものにまつわる知識の一つとして、ただ漠然と覚えたり見ていたのですが、
高倉流宗会頭である仙石宗久先生のお話はわかりやすくて面白い(≧▽≦)ビックリマーク
衣紋道の家に伝わる文献を解説しながら、その時代背景を考察して、どうしてそうなったのか?
を紐解いてくださいます。

染め、織、色、文様、と内容が深すぎて把握できた自信はありませんが、(復習しなくちゃ!)
自分なりに今まで勉強してきたことが「つながった!」感じがいたしましたひらめき電球
こうなってくると、ますます勉強が楽しくなってしまいます~♪

さて、細かな内容は説明しきれないので、わかりやすく大事なことを。
きものの世界では反物の横幅は、鯨尺で1尺は約37.8cmで表しますが、装束の世界では
曲尺(かねじゃく)で1尺は30.3cmで記録されているのだそうです。
ちなみに、高倉家には江戸の頃に鯨尺があったとされているそうですが、鯨のひげでつくられる
鯨尺はタンパク質なので虫に喰われてしまったのか、現存してないそうです。
しかし、装束の寸法は曲尺であり、鯨尺の場合には「鯨にて」と書かれているとのことでしたφ(.. )

『装束雑事抄』の講義は、非職の指貫(ひしきのさしぬき)のところから。
「指貫(さしぬき)」って何?と思われる方も多いでしょう。こちらです↓
裾口に紐が差し通っていることから「指貫」といわれる、衣冠や直衣のときに身につける袴のことです。
きもの カンタービレ♪
先日のふたあいの会での仙石先生の講義でお話があったののですが、この指貫の袴の時は
原則として素足が正式で、襪(しとうず)という袋状の足袋をつけるには、天皇陛下からの
御免」という特別な許しが必要だったのだそうです。
きもの カンタービレ♪
下袴を見せて歩くこともありますが、仏教関係の行事では、ふん含むといって足を出さない。
指貫を括る紐の絡め方にも色々あります。
これは白い部分が上になるように組まれた「腹白(はらじろ)」の括り。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
上でご紹介している指貫は、雲立涌文様がある有文固織物なので禁色の指貫のひとつです。

ここではわかりやすいところだけ簡単にまとめます!
非職の指貫の色は、年齢が高くなるにつれて薄くなっていき白に近づいていきます。
そして織の文様はありません。平織、練りの平絹、練絹、綾織、無文穀織、生無文穀織などですが、
無地です。官位によって着用が許される色と織があるのです。
【冬】紫→ももむらさき→半色(はしたいろ)→薄色(うすいろ)→白 
【夏】二藍(ふたあい)→半色→薄色 他に瑠璃色(るりいろ)、紫苑色(しおんいろ)

色のお話でいうと、紫は最高位の色であり、単に「濃き」「薄き」と言えば紫色のこととされました。
濃色(こきいろ)は濃紫色のことをいいますので、色名の薄色(うすいろ)は薄い紫色のことであり、
それは禁色ではなかったということです。
「はした色は浸け染の練平絹で裏表同じ、色うす色の濃きなり」とあり、薄色よりも半色のほうが
が濃いのだそうです。この浸染は紫根染のことです。
薄色は経糸は紫、緯糸は白で織りだした色のことをいいます。

日本の色の表し方にはいくつかあります。
表と裏の対比表現と重ねたときの配色のグラデーションの色目
経糸と緯糸の色をかえて織りだした色目
袿を重ね着しているように見せるために裏地から表地の配色で見せる色目
それらに、四季折々の植物の名前をつけたり決まり事があったり奥深いです~。

仙石先生から教わったことで書き残したいことはまだたくさんありますが、一般の方に読んで
いただくには補足説明が大変なので、ブログでの公開はこの辺りで(^_^;)
「雑事抄」とても勉強になりましたビックリマーク次回も楽しみです♪←ついていけるかどうか不安ですが汗
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪


【11月1日の装い】
この小紋は、さすがにもう着れないな、羽織に仕立て直そうかなと思いつつまだ着てます(゚_゚i)
20年ぐらい前につくったものだと思いますが、この頃の生地は良いものが多い!
長時間正座していてもシワになりにくく身体に沿う感じや落ち感も着心地が良いのです。
なので、きものとして着たいところですが色をかけるのももったいない気がして考え中。

紫地に菊と牡丹文様の小紋に雀と稲に鳴子の織なごや帯をコーディネート。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
稲に鳴子の帯はそろそろ着納めです。帯あげは加藤萬の縮緬の無地、帯〆は龍工房。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
A4の紙が入る籠バッグにジャマン•ピュエッシュの小さなバッグを。
講座の後、美術展にいくつもりだったのでバッグinバッグにしました。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
赤い八掛を紫にかえてもやっぱり派手ですよね…(・_・;)
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
柄×柄コーディネートは今風じゃありませんが、きものならではの楽しみ♪私は大好きですドキドキ
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

きもの カンタービレ♪ Facebookページ