伊勢神宮レポのつづき です(^-^)/

伊勢といったら松阪木綿。※伊勢木綿とはちがうものです。
江戸時代、お伊勢参り土産として全国に普及したといわれています。
室町時代に綿が渡来すると(普及したのは江戸時代)木綿織が盛んとなり、三井高利の
越後屋(のちの三越),太田利兵衛の上野松坂屋など、江戸に店を構えた松阪商人の手で
売り広められました。

こちらは、松阪木綿の専門店、もめんや藍さん。
おかげ横町にあるこちらのお店では、伝統ある松阪木綿を現代風にアレンジされた商品が
並んでいます。生地の柄は100種類以上あるのだとか。
きもの カンタービレ♪
赴きあるお店構えです。糸巻き文様の留蓋瓦
きもの カンタービレ♪ きもの カンタービレ♪
おかげ参りが大流行だった江戸時代、自分ではいけなくとも代参してもらうということも
ありました。江戸後期には犬の代参もあったのだそうです…(ノ゚ο゚)ノ
主人の代わりに代参するおかげ犬には、目印として注連縄がつけられました。
きもの カンタービレ♪

さて、松阪木綿は伊勢神宮とも深いつながりがあるとお聞きしたのですが、松阪木綿の粋な
藍の竪縞文様と神宮はどうにも結びつかない…( ̄_ ̄ i)。なので、調べてみましたひらめき電球

松阪にある神社の機殿で織られた布が、神御衣祭(かんみそさい)で天照大御神の御衣と
して奉納されています。神御衣の奉職、地元では“おんぞさん”といわれる行事です。
この機殿がある松坂地方は、御糸郷(みいとごう)といわれ,そのことから御糸郷で織られた
松阪木綿を“みいと織”というようになったようです。

『倭姫命世記』によると「倭姫命は垂仁26年(紀元前4年)飯野高丘宮に機屋をつくり、
天照大御神の御衣を織らせた。そこに社を建てて、服織社(はたとりのやしろ)と名づけた。
神麻績氏の住む麻績郷(おみのさと)で荒衣を織らせた。」とあり、古代からこの地方に
絹と麻の高度な織の技術が伝わっていることがわかります。

後に伊勢平野での木綿の栽培が普及すると古来より伝わった織技術と相まって、
松阪地方は木綿織物の生産地として発展していきます。
ちなみに、松阪木綿の縞柄は、鎖国前に安南(ベトナム)に渡った松坂出身の角屋七郎兵衛
からもたらされた安南の柳条布を見た松阪商人が日本風にアレンジしたものだそうです。

神御衣祭は、毎年5月14日と10月14日に内宮の御正宮と荒祭宮に2種の神御衣を奉る祭礼。
5月には夏の御料を、10月には冬の御料を奉るため、神様の衣替えととらえられがちですが、
新しい御衣をお供えすることは遷宮に通じるような意味を持つのではないかといわれてるのだそう。

神嘗祭に次ぐ古い由緒のある祭礼で、平安時代の『儀式帳』や『大神宮式』にも記載されています。
内宮と荒祭宮のみで行われるのは、 この祭の発祥が古く、外宮やその他の別宮などが鎮座する前
から行われていたためではないかと考えられています。

神御衣の奉織(織り奉る)で奉納される御衣についても調べてみましたひらめき電球

神御衣が奉織される神宮の機殿とは、松阪市にある内宮(皇大神宮)の2つの所管社のこと。
境内には本殿よりも大きい八尋殿(やひろどの)といわれる機殿があります。

神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)では、和妙(にぎたえ)といわれる絹織物を。
絹糸は三河産の赤引の糸。4丈(約12m)の和妙を4~5日かけて織りあげます。

神麻続機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)では、荒妙(あらたえ)といわれる麻織物を。
かつては神宮の麻園の麻糸だったようですが、現在は奈良県月ヶ瀬産の糸が
つかわれ、通常は5~6日、麻糸は湿度によって切れやすくなるため10日ほどかかって
織りあげられることもあるのだそうです。

神宮会館に展示されていた神御衣祭の御糸(みいと)
きもの カンタービレ♪
針も一緒に奉納されます。
きもの カンタービレ♪
※神宮会館の方より撮影許可をいただいております

奉織作業に従事されるのは地元の方々。奉織に際し斎館で身を清め白衣・白袴を着け、
御塩で清めを受け行われます。1日の朝、両社それぞれに神御衣奉織始祭が行われたあと、
糸繋ぎや管巻きにかかり機織りの準備がされ御糸が納められます。神職の拝礼の後、奉織
がはじめられます。

神御衣祭前日の13日には、奉織が無事に終わったことを感謝し幣帛を奉る、神御衣奉織鎮謝祭
が行われ、御衣は2つの辛櫃(からひつ)に納められて内宮へ運ばれます。

神宮では、外宮で毎日行われる日別朝夕大御饌祭や有名な神嘗祭、新嘗祭の他にも
様々な行事が行われています。
それにまつわる様々なことに歴史があり意味があり…。深いです。

次はおかげ横町にある洋館、そして、猿田彦神社、月讀宮参拝です。
伊勢神宮レポまだつづきます('-^*)/


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