伊勢神宮レポのつづきです(^-^)/

宿泊先でもある神宮会館へ。
伊勢神宮崇敬会が運営するお伊勢参りの宿ですが、一般でも宿泊することができます。
内宮から徒歩5分、おかげ横町のすぐ近くで、お伊勢参りにはとっても便利合格
伊勢には何度も来ていますが、この度はじめて利用させていただきました。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

チェックインが済むと、神宮司庁の方と衣紋道高倉流宗会頭の仙石宗久先生による講演会が
はじまります。30分ほど時間があったので、宅急便で送っておいた荷物をほどき、速攻で
汗まみれの色無地を脱いで簡単に汗抜きし、単衣の小紋に着替えました。

講演は、神宮司庁の方から伊勢神宮の成り立ち、唯一神明造りの神殿、神嘗祭、式年遷宮、
外宮の日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)など、神宮の祭礼についての
詳しいお話がございました。
写真撮影はNG、内容もあまり詳しくは…汗というご意向のようでしたので、神宮をご案内
いただいた際にお聴きした祭礼のお話を中心に覚書程度で…(゚ー゚;

この日は10月1日、お話しくださった神宮司庁の方は、午前中は内宮御酒殿にて行われた
御酒殿祭(みさかどのさい)のご奉仕をされていたのだそうです。
神嘗祭(かんなめさい)でお供えする、白酒(しろき)・黒酒(くろき)・醴酒(れいしゅ)・清酒の
御料酒が美味く醸造できるように祈願し、あわせて全国の酒造業の繁栄をお祈りする祭礼
です。白酒は酸味のあるどぶろく、黒酒はどぶろくにある樹木の灰を混ぜたもので酸化を
防いだまろやかなもの、醴酒は箸でつかめるおかゆのようなものなのだそうです。

神嘗祭とは、その年の初穂を天照大御神に献上する儀式で五穀豊穣の感謝祭のこと。
浄闇の中朝と夕2度に亘って大御饌の儀が執り行われ神宮神田でつくられた新米のご飯、
お餅、お酒をお供えし、宮中からは幣帛と勅使(掌典)が遣わされ奉幣の儀が奉仕されます。

神宮会館に展示されていた神饌
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宮中から遣わされる幣帛絹と錦絹•五色
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
※神宮会館の方に撮影許可をいただきました。

外宮の御饌殿にてご鎮座以来1500年毎日朝夕の2度つづけられている、日別朝夕大御饌祭。
外宮の北にある忌火屋殿(いみびやでん)にて毎日早朝にお供えのお食事がつくられているのだ
そうです。つかう火は弥生時代さながらに舞錐式発火法による御火鑽り具をつかって、檜の板に
山枇杷の心棒を摩擦して発火させます。
水、塩、野菜や果物も神宮のもので自給自足で賄われているというお話に驚きビックリマーク

式年遷宮では約1万本の檜が必要だそうですが、現在は25%が神宮の森のもの。
平成45年の遷宮では50~60%が神宮の森のものでできるように明治の頃から計画されている
のだそうです。遠大な計画ですが素晴らしい試みですね。

仙石宗久先生のお話は、遷宮の神職の装束のお話が中心。仙石先生は第61回式年遷宮の際に
神宮会館に宿泊し、装束のご奉仕をされたのだそうです。
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束帯の上に身につける明衣(めようえ)の着装には、木綿(ゆう)という麻をつかいます。
開けるのをおさえるための襷がけにするのですが、内宮と外宮では結び方が違うのだそうです。
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源氏物語の明石の姫君の着袴の儀の襷がけは外宮の懸け方が合致しているのでは?
というお話がありました。 有職文化研究所の源氏物語講座レポで詳しく書いてます。→こちら

実際にどんな感じなのか?
木綿をご用意くださり、実際に試してみましたビックリマーク
こんな感じになります。外宮の木綿襷の懸け方です。
ついつい袖をまくる襷がけのようにしてしまったのですが、用途がきものが開けないように
抑えるためのものなので、通常の襷がけとは違うものです。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

2010年秋に日本橋三越にて行われた『伊勢神宮展』で、束帯、明衣の着装実演が
ありました。その際に、宮内庁書陵部の鈴木真弓先生からお話を伺った時の写真が
あったので、みていただくとわかりやすいと思うので、ご参考までに。

束帯に明衣を重ねるところ
きもの カンタービレ♪
冠にも木綿をつけます
きもの カンタービレ♪
後ろ姿はこんな感じ。内宮の木綿襷の懸け方です。違いがわかりますでしょうか?
きもの カンタービレ♪

伊勢の斎宮のお話にもなり、三十六歌仙の斎宮女御のお話もありました。
醍醐天皇の皇女の徽子(よしこ)さまは後に村上天皇の女御として入内しますが、幼い頃から
伊勢の斎宮としてご奉仕され斎宮女御といわれます。
佐竹本三十六歌仙絵巻の中で最高値をつけたもので、後に益田孝の所有となります。
昔NHKで放送され有名になった『絵巻切断~佐竹本三十六歌仙絵巻』のお話がでて、
懐かしく思ったのですが、あのOAは1984年だったのですね。
当時夢中になって佐竹本三十六歌仙の関連書籍を集め読みあさりました。
絵巻の分割からその後の流転を追った、あの番組の構成は本当に素晴らしかったビックリマーク

話がそれちゃいましたが、この日は神宮会館に宿泊。
翌日、内宮にて御神楽奉納、御垣内参拝をいたします。

これは、神宮会館の売店にて見つけた優れもの合格
コルクの雨ぞうりです。とにかく軽くて歩きやすい! しかも足袋より安い!!
思わず2足購入しましたヾ(@°▽°@)ノ
一緒にいらした皆さまも気に入って、みんなで買い占め状態にあせる
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

夜は何と偶然!神宮会館に宿泊していた友人と伊勢神宮崇敬会の方々とお話しすることができて、
とても充実しておりました。勉強になりました!
さまざまな出会いに感謝いたしておりますm(_ _ )m

伊勢神宮レポ、まだつづきます('-^*)/


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