美しいキモノ富澤副編集長のお話人生の節目のきもの / 横浜髙島屋呉服売り場その2

先日、横浜髙島屋さんにて、リニューアルオープン記念イベントの一環として、
美しいキモノの富澤輝実子副編集長によるトークショーが開催されました

リニューアルされた呉服売り場については、その1でご紹介してます。

富澤副編集長と

私が幼稚園児のころから、女性誌編集者としてバリバリ働いていらした大ベテランでいらっしゃいます。
このショット、奥さまと下女みたいですね(^_^;)、でも格子の絣のきもの大好きなんです

百貨店でのトークショーは具体的にきものや帯を見せていただきながら行われるのが魅力。
職人さんの実演も好きですが、きもの巧者の方のお話が聴けるのも嬉しいです

今回のテーマは｢人生の節目のきもの｣ということで、お宮参りから七五三、十三参り、成人式まで。
富澤副編集長のお話は、行事の意味やしきたりから、用意しなければならないものまで、
百貨店の利点を生かした商品を見せながらの解説だったのでとてもわかりやすかったです。

富澤副編集長のお話から一部抜粋φ(．． )

●お七夜(おしちや)
誕生から7日目のお祝いです。
命名書を用意します。
命名　○○○(赤ちゃんの名前)　命名者（最近は父母の名前が多い）　生年月日
が書かれたものです。

●産屋明け(うぶやあけ)
21日目、お母さま(産婦さん)が産の忌が終わって昔なら産屋からでてくる日なのだそうです。
床あげをしてこの日から通常生活に入ります。

●宮参り(みやまいり)・初宮参りともいいます。　※きもの文化検定でよく出題されています

地方によって違いはありますが、男児は31日目、女児は32日目や33日目。
現在は1ケ月目におこなわれるところが多いそうです。
生まれた子の一生の加護を氏神さまにお願いするために参拝します。
赤ちゃんを抱っこするのはおばあさまの役目。産後の母体への思いやりから生まれた風習です。

装いは、お母さまは、お嫁入りに持たされた訪問着や色無地を着る方が多いそう。
おばあさまは、訪問着、色無地、付け下げなど。色留袖をお持ちであれば着る機会が中々ない
かたは神様に礼を尽くす意味でもいい機会と考えられますよというお話も。

赤ちゃんの装いは、産着(うぶぎ)を着せてその上から祝着(いわいぎ)を掛けます。
左◇綸子の産着という一つ身でできた幼児用のきもの
右◇鶴の帽子と涎掛け(よだれかけ)と神社でいただくお守りをいれるお守り袋のセット

男児用の祝着は、のしめともいうと、きもの文化検定公式教本にありました。
宮参り着もしくは掛け着ともいいます。
衿に付け紐がついていて、子供を抱く人の背で結べるようにします。
近年では産着でなくベビー服を着ることのほうが多いようです。

●七五三(しちごさん)　　過去にこちらで由来をご紹介しています。ご参考までに！

3歳の女の子。髪置きの儀が由来。
四つ身裁ちのきものに軽いしごきの帯、被布

5歳の男の子。袴着の儀が由来。
五つ紋付の羽二重のきものに羽織を重ねて袴を履く、懐剣と白扇

7歳の女の子。帯解きの儀(紐おとし)が由来。
長袖の四つ身の絵羽模様きものに七五三用の帯、帯下にはしごき帯(抱え帯ともいいます)、
幅広にとった帯あげ、筥迫（はこせこ）、扇子など

●十三参り(じゅうさんまいり)
旧暦の3月13日（現在は新暦の4月13日）に数え年13歳に成った男女が成人の儀礼として
大人と成ったことに感謝し、13歳の厄難を払い先の万物の福徳と英知を授かるために、
虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に参詣する行事のこと。干支が一巡りした時とおっしゃっていて、
なるほど！そうだったのかと改めて認識しました。
東京では浅草寺でやっていて、毎年美しいキモノの取材が入っていて、富澤さんは毎年
行かれているのだそう。
女の子は大人への変化する区切りとして、初めて本断ちのきものを肩あげし、おはしょりを
つくって着用します。四つ身を卒業して本裁ちのきものを着る儀式になります。
振袖や華やかな小紋で装います。髪型はぜひ可愛らしい日本髪でとのこと。