今年は沖縄復帰40周年ということで、さまざまなイベントが各地で催されています。

染織の分野でも見所ある展示会が目白押し目
髙島屋では平良敏子芭蕉布展  髙島屋新宿店(6月14日~19日)
サントリー美術館では『紅型 琉球王朝のいろとかたち』→近日中に鑑賞予定、レポしますビックリマーク

そして今日は、女子美アートミュージアムにて開催されている『沖縄の布~未来を紡ぐ』
(~6月17日まで)を鑑賞に行って参りましたサーチ

女子美術大学といえば、昨年髙島屋で行われた『江戸KIMONOアート』展が、素晴らしく、
衣装の状態も良く見応えがあったので、女子美術大学の染織コレクションは侮れない!
と常にチェックしておりました(-_☆)

女子美術大学の杉並キャンパスはオープンキャンパス公開講座で訪れたことがあるのですが、
相模原キャンパスにある女子美アートミュージアムははじめてです。
どちらも交通の便が悪く、まるで陸の孤島…。通学大変そう(゚_゚i)
きもの カンタービレ♪
自然豊かなキャンパスの中を歩いていくのは気持ちがよかったです音譜
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

先日『ぬぬぬパナパナ展』を主宰された浦令子さまより、学芸員の須藤さまに、近く来館する
旨をお伝えいただいていたので、本展覧会の見所、女子美術大学と沖縄染織の関係を端的に
ご説明いただきました。浦さま、須藤さま、ありがとうございましたm(_ _ )m
きもの カンタービレ♪
ロビーには琉球の衣裳が一部展示されていました。※こちらのみ撮影許可をいただいております。

琉球の衣裳は、おはしよりをとらず対丈で着用します。
そのために、身丈が短く、身幅と衿巾が広く、風通しがいい広袖で袖下にワチスビというマチ
があるのが特徴だそうです。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
とくに気になったのがこの2点。見えにくいのでいただいた資料から抜粋。

左◇松竹梅模様紅型衣裳/1領の衣裳だったものが各パーツで分かれ収納されていたのを
この展覧会の為に琉球の仕立て方で衣裳に作り直したもの。

右◇八重山の女性の正装のスディナ・ティサジ・ミンサー帯、三点共に石垣昭子作
スディナとは八重山の女性の正装で節祭りに着用したもの
ティサジ(手巾)は嫁入りのお守りにもなる手ぬぐい
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

第一章「琉球の華」
琉球王朝時代(19世紀)の王家や薩摩への貢納布となった衣裳と裂が展示されていました。
紅型の説明には、大きな文様は上流階級が着用し、小花や松葉などの小さな文様は
庶民が着用したとありました。
首里の士族階級だった女性が日常的に着用したとされる絣や格子の衣裳も。

第二章「伝統の継承」
○民芸運動の創始者である柳宗悦の甥にあたる柳悦孝(よしたか)氏は、琉球染織に熱心で
沖縄の文化財の保護や育成に努めた方で知られていますが、女子美術大学の学長だった
のだそうです。その縁もあって女子美術大学は沖縄染織品をたくさん所蔵されているのだとか。
ちなみに女子美術館所蔵の紅型は現在はサントリー美術館に貸出し中とのこと。要チェックひらめき電球
柳悦孝氏は自ら沖縄に渡って織物の技法を学び、絣の技法である手結や植物染料を
つかった染めの技術を身につけ創作しています。
展示されていたのは、藍の経絣の単衣でした。

○重要無形文化財指定の首里の織物で著名な祝嶺恭子さんも女子美術大学の卒業で、
在学中には柳悦孝氏から織を学んだのだそう。
祝嶺さんの立派な浮花織も展示されていました。祝嶺さんの花倉織は憧れのきもののひとつドキドキ

○そして平良敏子さんの芭蕉布も展示されています。
平良さんが戦後の沖縄で、芭蕉を育て糸をつくり染、織、仕上げの技術を復興した話は有名
ですが、柳宗悦の影響が大きかったといいます。
今回展示されていた2点の芭蕉布の所蔵は日本民藝館のものでした。

ワンフロアに展示されているので点数は多くはないですが、沖縄染織と密接な関りをもつ
女子美術大学の選りすぐりの作品ばかりですビックリマーク
きもの カンタービレ♪

第三章「沖縄の布」 ※写真はチラシからお借りしております。
○紅露工房(くーるこうぼう)石垣昭子さんの芭蕉交布(ばしょうぐんぼう)
石垣昭子さんは竹富島出身。女子美術短期大学ではデザインを学んで後に志村ふくみ先生
のもとで織を学ばれたのだそう。
経糸と緯糸を違う素材で織った布を交布といいます。←きもの文化検定1級の必須知識ひらめき電球
きもの カンタービレ♪

○上原美智子さんのあけずば織り
“あげずば”って何?と思いましたが、琉球の言葉で蜻蛉の羽を意味するのだそう。
タペストリーとして展示会場にあったのですが、触りたくなる衝動を抑えるのに必死でしたあせる
自然光で見たら更に美しいのでしょうね~。
きもの カンタービレ♪

○伊差川洋子さんの紅型「漁のある日」
伊差川さんは那覇出身。女子美術短期大学の卒業生で、浦野理一さんのもとで友禅や
染織を学ばれたのだそうです。この作品は自ら漁船に乗り込んで漁を体験しつくられたもの。
きもの カンタービレ♪

○渡名喜(となき)はるみさんの紅型「水元日和」
渡名喜さんは女子美術短期大学を卒業後デザインの仕事に携わった方なのだそうで、とても
文様がモダンでした。城間紅型研究所で学ばれたことから、素材と技法は古典とのことですが、
斬新な感じがいたしました。とくに「菊花香々」という作品はすごく着てみたいと思いましたビックリマーク
きもの カンタービレ♪
※説明文は、学芸員の須藤さまのお話と作品リストパンフより抜粋させていただいております。

女子美術大学美術館、交通の便が悪いので行くのは大変ですが、沖縄染織に興味がある方
には是非おススメいたします!!緑が豊かで良いところですよ。

【今日の装い】
白地に赤黄青の立涌の縞文様の絣の単衣紬に水連に蛙の刺繍された絽塩瀬の帯。
お仕立て済未着用の新品を購入したのですが、サイズが大きいまま。
縦長にみえるといわれる縞でもこの紬を着ると太めがさらに太く見えます…(x_x;)
できるだけたくさん着て早めに洗い張りと仕立て直しするつもりです。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
薄緑色の波に千鳥の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
梅雨時期なので、帯の色とあわせてHANWAYの百合のアップリケ晴雨兼用傘を
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

きもの カンタービレ♪ Facebookページ