能、狂言、歌舞伎、文楽など日本の伝統を今に受け継いでいるものを鑑賞するのが
好きですが、中でもここ数年特にはまっているのは、雅楽鑑賞と相撲観戦でしょうか。
どちらも舞台というよりは神事であるということ、それが装束に体現されているのが面白いです。

私の相撲観戦の興味と楽しみは、国技館の雰囲気と行司装束と力士のきもの姿軍配
力士のまわし姿や十両以上になると着用が許される紋付羽織袴姿はメディアなどで見ることが
あっても、勝負に賭ける思い、郷土愛、四股名などが描かれた、個性的な意匠のきもの姿
を知る人は実は少ないと思います。
力士は場所中の午後、土俵入り前にきもの姿で入ってきますので、入り待ちしてチェックします目
ちなみに取組後はゆかた姿で帰ってしまいますので、きもの姿を見られるのは入り待ちのみ。

入り待ちでみた力士のきもの姿を、『きものカンタービレ♪』でご紹介していたところ、さまざまな
ところから反響をいただきましたヾ(@°▽°@)ノ
その中で「あのきものは自分のところがつくりました!力士が着用しているところをはじめてみました。
ありがとうございました。」というメールをいただきました。

私たちが着ているきものも同じですが、作り手の方は実際に着用している姿をあまり見ることが
ないので、ブログで着用している写真を公開していると喜んでいただけることが多いです。

このメールをくださったのは、京都室町の染匠、小川平六の小川清さん。
京都のきもの学や日本きもの学会の金沢研修旅行でもご一緒させていただいたことがあります。
きもの カンタービレ♪
京都室町のある染め屋さんに向かっている時に、偶然お宅の前を通りがかり、お話をお聴き
することができましたヾ(@°▽°@)ノ

力士のきものは、股下などの寸法も細かく聞いてそれに合わせてデザインを起こすのだそうです。
この筆で描かれたような力士の四股名はデザインをカッティングシートのようなものに写して
染めているのだそう。文様の色挿しにもスプレーのようなものをつかうそうで、通常の友禅など
とは全く違う技法のようです。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

小川さんのつくられた力士のきものの中で私が特にお気に入りなのが、天使のきものラブラブ
天使の意匠でというのは、豊真将サイドからの注文だったそうで、小川さんはイタリアの教会の
写真などをたくさん見て研究したのだそうです。
力士の中でも豊真将は秀でてルックスが良いと思いますがとってもお似合いでした(≧▽≦)
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
こちらも小川さんの作品。後には大和魂の文字!このバランスが大事ですね。色も素敵ドキドキ
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
北大樹の金魚の意匠のきもの
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磋牙司の赤富士のきもの。この色珍しいのでインパクト大でしたビックリマーク
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玉鷲の後肩に大鷲が描かれているきもの
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魁皇、阿覧の四股名のきものも。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

他にもたくさんつくっていらっしゃるそうですが、入り待ちで見れていないきものもあります。
小川さんがつくられた横綱白鵬の火の鳥のきものも見てみたいですー:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

小川平六さんは力士のきものだけでなく、きものや和装小物などもつくっていらっしゃいます。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
見せていただいた中で、素敵~ラブラブと思ったのが、この麻の日傘。
色艶が宮古上布のような印象をうけました。←でも上布ではなく麻です!
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
傘はさしたときの内側の文様が大事!と思っているので、両面染で内側に文様があるのは
とっても好みですドキドキ朝顔の日傘の内側は市松文様になってました。透け感もいいですね。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

2012年五月場所の力士のきもの、行司装束、つづけてあげていきます('-^*)/


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